Webディレクション

Webディレクターが、案件が上手くいかない時の「メンタルブロック」を崩すためのたった4つのステップ

ネガティブシンキングにとらわれていませんか?

ネガティブシンキングにとらわれていませんか?

人生で初めてこんな「釣り」っぽいタイトル付けました(笑)

閑話休題。
Webディレクションの現場では、都度都度ありとあらゆることが自分の納得いく形で進む案件というのは、まぁ、そうそうないでしょう。

そんな時についつい「このままやっても上手く行くはずはないよ」とか「こんな予算でやっても赤字になるだけだしな」とか「こんなサイト作ったて意味なんかないのに、なんでやろうとしてるんだ?」という思いが頭をもたげてきます。

名村もこういった思いに囚われることはあり、その時の状態に気がつけた時は、「あっ、メンタルブロックに入ってる・・・」と思うようにしています。

そもそも「メンタルブロック」とは?

「メンタルブロック」と名前がつくと大仰なのですが、多くWebディレクターがディレクションの中で実感したことがあるのではないでしょうか?
ぐぐってみたら、コトバンク(http://kotobank.jp/)でこんな感じでした。

人間が何か行動等を起こす場合に、出来ない、ダメだ、無理だと否定的に考えてしまう思い込みによる意識の壁、あるいは抑止・制止する思考のこと。
メンタルブロックをかけ続けると、結果として何もしなくなる(何もできなくなる)といった状態に陥る。
従って、人間は意識的にメンタルブロックを打破するような思考を身につけることが、積極性等を維持する意味で重要となる。

要は自分にとって上手くいかない時に「やってらんねーよ」と思ってしまい、その案件へのモチベーションが極端に下がるという事です。

こうなった時には大抵「いいアイデア」「いい発想」「前向きな気持ち」ってのは出てきません。その状態を引きずる案件ほど辛いものはないと思いいます。
ですので、そういった時には何かしら「切り替える」必要がありますが、名村が行っている方法をご紹介します。

1.まず「今メンタルブロックを自分がしている」事を受け入れる。

これが一番最初に行わなければなりません。

名村がやっているのは簡単。
ただ一言声に出して「あぁ、今、この案件に対してメンタルブロックしてるわ・・・」と言うことです。

その状態を「なんとなく分かっている」というのではなく、声にして「言葉」にすることで、「事実」になります。
中途半端に気持ちが悪い状態でズルズル引きずるのはよくなくて、それを声にだしてしまうことで「向き合う事象」にすることが出来ます。

2.メンタルブロックは「何に」対して行っているのかを考える

「なんで?」という理由の前に「何に」というのを特定しましょう。

この手の状態というのは「なんとなく」というのが殆どなんです。「なんとなく」だから具体的に手が打てない、ということになっています。
その結果は「生理的に受け付けない」というところにいってしまいます。
そりゃ解決しませんよ(笑)

気分は分かるのですが、「何に」対して自分がメンタルブロックをかけているかを特定しましょう。

  • クライアントがいつまでたっても決めない
  • 予算が全然ないのに延々と改修等を言ってくる
  • スケジュールが全然ないのに無茶を言ってくる
  • 前回までの打ち合わせで了承をとり、散々考えた企画書を180度ひっくり返された

などなど、理由はあると思います。
そのどれに対してなのかをやっぱり「具体的に」言葉にしてみてください。

3.メンタルブロックしてしまう「理由」を考える

前項で具体化した「何に」に対して「何故自分がメンタルブロックをしてしまうか?」を具体化します。

  • 決めてくれないから、決まらなくて、自分の動きが全く評価されないので、やってられない。
  • 予算が全然ないから、やればやるほど赤字になるのが分かっているけど、終わりが見えない事に上司から何か言われるのでは?
  • スケジュールが全然なくて、このままでは毎日徹夜しないといけない、という結果が見えてくる。

といったことです。

この「何に対して」が見えてこないと「対策」が出せないです。
ですので、

なんで僕はこの案件に対してこんなにイライラしているんだろう?何に対してイライラしているんだろう?

何に僕は困ってるんだろう?

何に僕は困ってるんだろう?

と一度考える事が、実は一番大事なんです。

4.具体的になった「何の」「何に対して」の解決方法を考える

一旦「メンタルブロックがかかっている自分」を事実にしてしまい、その「何の」「何に対して」がはっきりすれば、それ自体を客観的にみることができます。

客観的に見られれば、それは最早「解決すべき問題」になります。
「解決すべき問題」となれば、それはWebディレクターであれば、誰しもが持っている「問題解決の手法」で解決方法を導き出せる事象でしかありません。

要は「企画」を考えることになるわけです。

Webディレクターであれば、「サイトのリニューアル企画」などは、簡単に企画が出てくるかは別として、その企画を考えることは「普段のタスク」でしょう。

となれば、

  • いつまで経っても決めてくれないクライアントに「それで行こう」と言わせる為にやらないといけないこと・やれていなかったことは何か?
  • 希望に対して予算が見合っていない案件でクライアントを納得させるための伝え方は?
  • 希望に対して予算が見合っていない案件でクライアントの要望を満たすためのアイデアはなにかないか?
  • 希望に対して予算が見合っていない案件でクライアントの要望を満たすためのアイデアを「とりあえず1時間だけ」真剣に真剣に真剣に考えてみる
  • 足りないスケジュールの中で、それをどうにかするには、フェーズ分割を依頼する、実装内容を変更する、謝る(笑)などどういう方法が取れるだろうか?
  • 前回までの打ち合わせで了承をとり、散々考えた企画書を180度ひっくり返されたのは、何が足りないのか?もしかしたら自分が自分の企画に対して執着(我執)が強すぎるのでは?

問題は分解すれば必ず解決できます。

問題は分解すれば必ず解決できます。

といった「じゃぁどうする?」という方向に転換することが出来てきます。

メンタルブロックは「企画」にしてしまうことでWebディレクターなら解決できる

メンタルブロックが何より怖いのは「具体化」していないが故に、

  • なんとなくイヤ
  • とりあえずもうやりたくない
  • これ以上自分だけが苦しむのはイヤ
  • もう全部イヤ

という「何が」が無いまま、気分的に「シャットアウト」「受け入れない」状態になってしまうということです。

この状態で「ポジティブな企画・アイデア」を出せる人のほうがすごいでしょう。
名村も自分が思っている通りにいかないことはいくらでもあります。

その時は「あっ、いまブロックしてる・・・」と言葉にだし、それを受け入れ、切り替えるようにしています。

それもあってなのですが、名村は基本的に「出来ない」「無理」「やれない」的なネガティブな言葉では終わらないように気をつけています。

「それは出来ないけど、こうなら・・・」と代替案を出来るだけ考えるようにクセづけています。
これはかなり後天的に行うようになったことで、昔役者だった時には、自己顕示欲と他者評価の世界にいたので、

少しでも上手いと言われたい

と思う訳です。

その結果が名村の場合は「緊張」になり「緊張が故の失敗」につながっていました。
それは名村の本質なので今でも人前で話をさせて頂く時には超絶緊張しながら喋っています。

でも、自分への我執を少しずつでも削っていき、自分自身への過剰な期待を減らし、「○○は出来ないけど✕✕なら・・・」とかんがえるようにすることでかなり軽減出来るようになりました。

もし今の目の前の案件で「もうやってらんねーよ!」となっている方がいたら、まず「何にやってらんねーよ」となっているかから具体的にしていってみてはいかがでしょうか?


名村晋治のプロフィール

Webディレクター 名村晋治

株式会社サービシンク

代表取締役 / テクニカルディレクター

名村晋治

1996年よりWeb制作に携わり、キャリア28年目のWebディレクター

2010年に不動産業界特化のWeb制作会社「サービシンク」を設立して、今も現場でディレクターとしてPMをしています。

詳しいプロフィール

大学在学中の1996年「Web制作集団ネイムヴィレッジ」を設立し100社を超えるサイト制作の企画、ディレクション、デザイン、マークアップ、システム開発に携わる。

2000年不動産検索サイトHOME'Sを運営している株式会社LIFULL(旧:ネクスト)に合流。
2005年からは都内のWeb制作会社に合流し取締役を歴任。同社ではフロント実装からディレクションまでを担当。

2010年東京のWeb制作会社・ホームページ制作会社、株式会社サービシンクを立ち上げる。 不動産業界に特化したサイト制作の、アートディレクション~HTML実装設計~システム設計のすべてに携わるジェネラリスト。基軸としてはクライアントの商売に寄り添う為に、徹底的に思考を巡らせる為のディレクションを行う。

Webブランディングの入門教科書」、「変革期のウェブ」を「マイナビ出版」から出版。

2000年から「Webディレクター育成講座」を独自開催し、40時間のカリキュラムを通し「仕事を回す事ができる」Webディレクター育成手法には定評があり。
首都圏のみならず地方でも講座実施、参加者は延べ700人を超える。 もう一つのキャリアとしてプロとして舞台俳優、声優。 1996年から養成所に通い始め2004年に廃業するまでの間はWebディレクターと二足のわらじでの活動。

俳優としては、東京の小劇場でシェイクスピアやマリヴォーといった古典を中心に舞台に出演、また声優としては大きく活躍できる程ではありませんでしたが、NHK海外ドラマや、洋画等、ゲームでの声優を行っていました。

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