Webディレクション

よくある「具体的に言うと・・・」という「具体例」の怖さ

具体例をつたえる場・・・

具体例をつたえる場・・・

色々な打ち合わせの場や、ネット上のやり取りなどを見ていて時々強烈にあることを思うフレーズがあります。
それは、

今の話を例えるとしたら、○○の世界でいうところの✕✕のことなんです。

このフレーズ、まぁ、名村もよく使ったりします。
とりあえず自分の使っているのがどうか?というは置いておいて、この「なにか例える」ということですが、実はものすごいミスリードをしかねないフレーズだな・・・と最近思っています。

というのは、普通の方の場合「例えるなら・・・」といわれると思考的に、

あぁ、そういうものか。

となりがちなんです。

これはなぜか?というと、この「例えると」というに対してパブロフの犬の如く「例えられたものはわかりやすいはず」という先入観の元、「その例えが意味するものは?」ということへの思考が一瞬弱待ってしまうためです。

具体例を出しているはずなのに止まってしまう思考


困惑

困惑

もしココをお読みの方で「そんなわけねーよ」という方が居たら。
あなたはきっと「嫌な人」です(笑)

なぜか?
そういう方って、もしその例が本当に意味が分からなければ気づいているはずなんです。

いや、今の例とかって余計に意味が分からないし・・・。

という風に。

となると、それが自分の利害関係のある話だったら?
普通は「いや、意味が分からないです、余計に。」「というか例になってません」みたいな返事を返しているはずです。

でも多くの方はそうではなくて、こう思ってしまうんです。

ぐ、具体例なんだし、そうか、そういうものか・・・でもそれに対して意を唱えるって「俺って具体例を出してもわからない奴」って思われるのでは?

という風に。

なので、得てすると「具体的に言うと」とか「例を挙げると」というのは、相手を煙に巻くための方便になってしまっていることがあり得たりします。

もしくは、実際に話している人自体がそれのことをよく理解していないで、テンプレで「では例を上げるなら」といっている場合。

別の時に書きますが、「相手の話を立体的に頭のなかで組み上げる」事をしていないと、この相手のいう「例」っていうのは、直前の話の「例」になっていないことが往々にしてあります。

なぜそんなことが起こるのか?

フリートークでは、話をしている人自身も話している内容を組み上げられていない。

それはフリートークでは「自分が話をしている内容ですら立体的に組み上げられている」人が少ないからです。

よくあるのが、

  • あれ?さっきまで何を言おうとしていたんだっけ?
  • 最初なにの話をしてたんだっけ?

会話の中で・・・

話しをする内容が頭の中でストーリー立てられていないので、気がつけば「自分が何の話をしていたのか?」「何を言おうとしていたのか」が話が横道にそれた時に忘れ「戻ってくる」事ができないのです。

具体例が直接の具体例になっていない場合はなぜ起こる?

要は自分で話を順序立てて組み上げられていない中で例を出すので、直前までの話との粒度が聞き手と話し手の間でずれてしまっているわけです。

言ってしまえば、

話し相手の理解に追いつかないまま、話し手のほうだけは先に話が「自分の頭の中だけ」で進んでいっている。

という状態です。

相手が理解する前に、自分では話の展開を進めてしまっているので、その人にとって「進行してしまった話」の「具体例」は、聞き手にとって具体例ではない、ということが起こってしまうのです。

ディレクターは「人」と話をするのが仕事の殆どと言っていいと思います。
それはもしかしたら「提案書」などのドキュメントかもしれません。

でも、そこに「この内容を聞いている人が今どう思っているか?」「どこまで理解しているか?」という観点と「自分が話をしている内容はそもそも一体何か?」というのを同時に考えながら話をしていかなければ、生まれる結果は、

なんでこの人、具体例まで出しているのに理解してくれないんだろ?

というとても残念な結果です。

しかも相手がその「分かってない状態」を醸しだしてくれればまだ実は良くて、実際には相手も「なんとなくわかった気」になっていることがあります。

となると、「伝えている方も伝えられたほうも双方実は分かっていない」という、もう何がなんだか意味が分からない(笑)状態になってしまいます。

ということをふと頭で自分なりの理解に落とせたので、自戒を込めてエントリーしておきます。


著者・名村晋治のプロフィール

名村晋治

株式会社サービシンク

代表取締役 / テクニカルディレクター

名村晋治

不動産業界に特化したWebサイト制作・システム開発をおこなうサービシンクでプロデュース、ディレクションからテクニカル・ディレクターまでを担当。
元プロの声優であり、Webディレクターとして22年のキャリアを持つ。
(詳細は下の「詳しいプロフィール」をクリックしてみてください。

Webブランディングの入門教科書」、「変革期のウェブ」を毎日コミュニケーションズから出版してます。

詳しいプロフィール

大学二年生の96年からWebの制作集団ネイムヴィレッジを主催。
大学卒業の99年までの間に100社ほどのサイト制作の企画、ディレクション、デザイン、Perlでの開発、マークアップに携わる。
大学卒業と同時に俳優になるために上京し俳優修業開始。
2000年からは俳優修業の傍ら不動産検索サイトHOME'Sを運営している株式会社LIFULL(旧:ネクスト)に合流。
俳優としては、舞台演劇、プロの声優としても活動したが最終的30歳を目前に足を洗う。

2005年に株式会社LIFULLが自社媒体に注力するためSips業から撤退する事をきっかけとして、代表の井上とシェイクハンドをして退社。

2005年から株式会社ソナーに合流し取締役なども歴任し不動産業界のサイト制作のディレクションからフロント実装を担当。

2010年1月12日から株式会社サービシンクを立ち上げ、代表取締役に就任。
不動産業界に特化したサイト制作のアートディレクション~HTML実装設計~システム設計のすべてに携わるジェネラリスト。
基軸としてはクライアントの商売に寄り添うために、徹底的に思考を巡らせるためのディレクションを行う。
Webブランディングの入門教科書」、「変革期のウェブ」を毎日コミュニケーションズから出版してます。

最新の記事