Webブランディング

物理的ストレージ限界の時代とクラウドがもたらす今後

クラウドのもたらす意味。

クラウドのもたらす意味。


昨日Engadgetでこんなニュースを見つけました。

アウディの車載ネット Audi Connect 開始、 国内初の車内 WiFi スポット搭載
http://japanese.engadget.com/2013/09/08/audi-connect-wifi/

これを見てFacebookでこんな書き込みをしました。

これを見ると、今後の自動車にも確実にネットは組み込まれるだろうし、そうなると、今のカーナビの「データのアップデート」ってのは方法が変わるだろうな。
というか、現時点でもスマホとかタブレットをナビにしてる人にとっては「データのアプデート」ってのは概念的には無いわけだし。

そうなると利用頻度によって「月額固定」か「従量制」でのネット利用料を払う必要が出てきて、車を買いに行ったら携帯回線契約して帰ってきたってことになるだろうなあ・・・。

その意味では、利用者は減ってきて入るけど、それでも現時点の分母としては、通信会社には「カーナビのネット組み込み」は次の回線拡大領域になるんだろう。

となると次は、ユーザが「カーナビとネットが組み合わさった上での車体験」ってどんなことが出来るのか想像してみたいなぁ。

恐らく後部座席にモニターってのは当たり前になってくるだろう気がする。
でもそうなると「家族で一緒にいるのにみんな個別にネットしてる・・・」って状態のドライブってことにもなるし、それはそれで・・・って気もしなくないなぁ(笑)

ただ、パーキングの空車情報がリアルタイムで見られるってのはネットならではだと思うし、そこは組み合わさってほしい。

となると更に前からあちこちで言っているけど、ある程度の主要コインパーキングは全てリアルタイムで空車・満車情報をネットで流してもらいたいし、予約時点から料金発生でもいいから、ネット越しにコインパーキングの予約が出来るようになるとすっごいいいのになぁ・・・と。

道路マップがリアルタイムアップデートされて、空きパーキング情報がリアルタイム反映がナビに統合されるってのは、カーナビネット統合の第一弾としては数年以内にあり得そう。

https://www.facebook.com/namura/posts/10201790037734158

というのと前後して、丸山章さんがFacebookで、

4TBのHDDって吹っ飛んだ時のダメージ半端ないだろうな。
まあ1TBでも大概だけど。もうバックアップなしじゃあ怖いなあ。
https://www.facebook.com/MaruyamaAkira/posts/10201052238120527

というのを見ていて、いろいろ思ったんだけど、もう遠くない未来には個人ユースのデータって全部クラウド保存が前提になってくるんじゃないかと思えてくる。

物理的にローカル環境においておく理由?

現時点でいえば「ローカル環境」を「物理的に手の届く所」というならば、置いておく理由はアクセス速度だけだろう。

ネットワークの速度の問題で、現時点で大きなデータはやっぱりネット越しでは、アクセスに時間がかかるし、アクセス速度を現実的にすればファイルサイズを下げることになり、テキストや軽い画像でなければ、現実的ではないと思う。

ローカル環境においておくリスク


ハードディスクドライブケース

ハードディスクドライブケース

名村は個人ユースとしてHDDの容量が500GBぐらいが手頃な価格の時にそれを4つつないで一つに出来るというロジクールのこんな感じの製品を使っていました。
これを使っていた時としては、500GB✕4=2TBぐらいのストレージ量になっていた訳です。

これ自体はまだ残っているのですが、使い始めた時一番考えたのが、

これが飛んだら・・・全部飛ぶな・・・。
っていうか、これをバックアップするのってどうしたらええんやろ・・・。

ということだったんです。
そう、500GBを4つで2TBにもなったディスクを、バックアップするには、同じだけ費用をかけて、同じものを構築するしかなかった訳です。

まぁ、当たり前といえば当たり前ですが、金額的にも物理的にもなかなか厳しくて、結局「ま、まぁ・・・壊れないでしょ・・・そんな簡単には・・・ね・・・ねっ・・・」とハードディスクケースをマジマジと見ていたものです(笑)

実際、バックアップは出来るようにはなってきました

とは言え、時代は進むもので、3年もすれば一台で2TBのHDDも安価になってきました。

現状で言えば、上で紹介したハードディスクケースのバックアップには、「裸族のお立ち台」を使って2TBのHDDを差し込んでバックアップしました。


裸族のお立ち台(CROSU2)

裸族のお立ち台(CROSU2)


そういう意味では「バックアップ」そのものは、実施するとして、確かにコストがかかるけど、どうしてストレージに対して昔の感覚があるので「高くつく」というのも事実なんですけど、現実的には「いや、その金額じゃ無理」ではなくて「やってやれなくはない」という状態にはなってきています。

今やバックアップするのはパソコンのデータだけ?

しかし、今や「データ」を扱うのはパソコンだけでしょうか?

名村のプライベート、仕事を含めて「一定期間保存しておくデータ」かつ「なくなると困るデータを保存しているもの」というのを考えてみると、

  • 会社のMac mini
  • 会社のMacbook Air
  • 自宅のMacbook Air
  • iPhone5
  • iPad mini
  • 自宅のHDD内蔵テレビの録画データ
  • 個人視聴用にDVDに録画したテレビ
  • ハードディスクケースに入れている500GB✕4のデータ
  • ハードディスクケースのバックアップをした2TBのHDD

といったものがあります。

一方でデジタルデータ化出来ていないアナログものとしても、

  • フィルムカメラ時代の現像写真
  • 昔VHSにとっていた自分の役者時代のビデオ
  • 昔録音していたラジオ番組のカセットテープ
  • 自炊をしようと思っている書籍各種

とかがあって、現時点では「暇ができたらデジタル化」と考えているが、今後の世代はそもそも最初からデジタルでしょう。

(関係ないけど、今ラジオを録音って・・・する人いますか・・・(汗))

多くのものがデジタルになり、Wi-Fi環境が充実していく未来

多くのものがデジタルになっていくと、それは物理的な枠が不要になっていきます。
そして、この10年で見てもネット通信、特にWi-Fi環境ってのはかなり充実してきました。(海外に比べてってのは別ですよ)

恐らく今後この流れがひっくり返ることは、世界規模で何か無い限りあり得ないでしょう。
となった時に、グルっと回って冒頭の「アウディが車載システムにネットを繋げる」というところに戻ります。

現時点では、車に乗ったらiPhoneと接続して車内で音楽を聞いたり、CDをカーナビで再生したり、停車中にDVDを見たり、カーナビのHDDにリッピングした音楽データなどを取り込んだり・・・ってことをしています。

でも、これ地味に不便なんですよね、今や。

これだけネット環境が広がっているのに、なんでパソコンのiTunesに入れているデータや、HDD(SSD)のデータをどこでも取得できないんだろう?

これが最近特に思う感想です。
これは恐らくIT機器に関してアーリーアダプターの方々は思っている方は多数いると思います。

もちろん現状でも、DropboxとかEvernoteなんてのはいつでもどこでも同じ環境を提供してくれているし、先日のエントリー「シンプルなタスク管理ツールのAny.Doが素晴らしく肌に合った!」で紹介したAny.Doを選んでいるのも、その視点です。

この感覚が今後のIT機器の主流になっていくのでは?と思っています。
そしてそこに至って「クラウド」が本当の意味で「クラウド」なるんだろうし、「ユビキタス」って言葉が広がっていくのではないかな?と思います。

ユビキタス

ユビキタス (Ubiquitous) とは、「いつでも、どこでも、だれでも」が恩恵を受けることができるインタフェース、環境、技術のことである。 ユビキタスは、色々な分野に関係するため、『ユビキタスコンピューティング』、『ユビキタスネットワーク』、『ユビキタス社会』のように言葉を連ねて使うことが多い。現在「ユビキタス」の厳密な定義は出されていないが、標準化団体であるW3Cでは2006年、「ユビキタス」に関するワークショップを設立し、国際基準の規格化に乗り出している。2007年4月には、日本での活動が展開されている。

<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A6%E3%83%93%E3%82%AD%E3%82%BF%E3%82%B9">http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A6%E3%83%93%E3%82%AD%E3%82%BF%E3%82%B9</a>

この「いつでも、どこでも、だれでも」を目指した方向性がビジネスとなっていくんだろうし、それがもたらしくれる過渡期のいくつかの段階ごとに、Webサイトというメディアが提供するべきユーザ体験(User Experience)ってのも少しずつ異なっていくのは確実でしょう。

なので「かくあるべき」ではなく、現時点で提供できる体験、それを少し上回る体験を軸に考えていくと、良いWebサイトってのは見えてくるのでは?と思います。


名村晋治のプロフィール

Webディレクター 名村晋治

株式会社サービシンク

代表取締役 / テクニカルディレクター

名村晋治

1996年よりWeb制作に携わり、キャリア28年目のWebディレクター

2010年に不動産業界特化のWeb制作会社「サービシンク」を設立して、今も現場でディレクターとしてPMをしています。

詳しいプロフィール

大学在学中の1996年「Web制作集団ネイムヴィレッジ」を設立し100社を超えるサイト制作の企画、ディレクション、デザイン、マークアップ、システム開発に携わる。

2000年不動産検索サイトHOME'Sを運営している株式会社LIFULL(旧:ネクスト)に合流。
2005年からは都内のWeb制作会社に合流し取締役を歴任。同社ではフロント実装からディレクションまでを担当。

2010年東京のWeb制作会社・ホームページ制作会社、株式会社サービシンクを立ち上げる。 不動産業界に特化したサイト制作の、アートディレクション~HTML実装設計~システム設計のすべてに携わるジェネラリスト。基軸としてはクライアントの商売に寄り添う為に、徹底的に思考を巡らせる為のディレクションを行う。

Webブランディングの入門教科書」、「変革期のウェブ」を「マイナビ出版」から出版。

2000年から「Webディレクター育成講座」を独自開催し、40時間のカリキュラムを通し「仕事を回す事ができる」Webディレクター育成手法には定評があり。
首都圏のみならず地方でも講座実施、参加者は延べ700人を超える。 もう一つのキャリアとしてプロとして舞台俳優、声優。 1996年から養成所に通い始め2004年に廃業するまでの間はWebディレクターと二足のわらじでの活動。

俳優としては、東京の小劇場でシェイクスピアやマリヴォーといった古典を中心に舞台に出演、また声優としては大きく活躍できる程ではありませんでしたが、NHK海外ドラマや、洋画等、ゲームでの声優を行っていました。

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