セミナー

今年の暑く熱かった、鳥取での1日8時間✕全10日間の「Webディレクター養成研修」(前編)

鳥取でのWebディレクター養成講座

鳥取でのWebディレクター養成講座


ご無沙汰しています、Webディレクターの名村です。 最近なんだかやたら結構忙しくて、せっかくリニューアルしたこのブログ、めっきり更新しておりませんでした。

さて、このブログを読んでくれている方は、恐らく「Webディレクターの仕事」や「Webディレクション」に興味がある方だと思います。 「Webディレクション」は、「ガントチャートが引ける」とか「要件定義書を書く」ということ以上に、「コミュニケーションスキル」と「思考スキル」という途中経過を可視化しにくいスキルの上に成り立っていると思っています。

そういった可視化しにくいものだからこそ、かれこれ15年ぐらいセミナーのお声掛けをいただける限りは、日本どこでもお伺いをさせていただいています。

このブログをご覧いただいている方は「Tips」や「ノウハウ・ドゥハウ」ではなく、「今後も自分がディレクターとして仕事をしていく上での知恵」的なモノを求めてるからこそ、このブログに来ていただけているのではないでしょうか?

他のディレクターさんのブログに行けば明日から使える「Tipsやノウハウ」は一杯公開されています。 でも、それは「明日から使える」けど、「来年も使えるか?」というと必ずもし「使える」というものではないものがあったりもしますから。

過去最長の時間と、最大の密度の「Webディレクター養成講座」研修

今回はそんな名村の15年間のセミナー経験の中でも間違いなく「1つの研修」としては最長で最大の密度があったのは間違いない、鳥取県での研修の話。

なんせ、日数にして10日間、一日の時間が9時〜18時、途中ランチ休憩が1時間で、あとは平均して2時間に一回ぐらいのトイレ休憩・・・、総時間で言えば「80時間」の研修。

後ほどカリキュラムのアジェンダは書きますが、途中にワークショップが「1〜6日目の間に合計3〜4時間」、あと「最後の2日間の終日」行いました。 逆にいえば、この時間以外は全部座学です。

名村のセミナーに参加いただいた方は分かるかもしれませんが、30分だろうと、60分だろうと、90分だろうと、120分だろうといつもだいたい同じテンションですが、そのテンションのまま合計で60時間ぐらい喋ってた訳です。

参加いただいた皆さんは本当によくついてきてくれたと、我ながら思っています(笑)

鳥取で三回目の「Webディレクター養成講座」

鳥取でのセミナーは実は2012年、2014年とさせていただいていて、今回が3回目でした。 初回は3日間日程で、中日に大雪が降って米子の方から参加されていた方が、車が動かなくて欠席された・・・というのを印象的に覚えています。(その時は鳥取〜米子間がどれ位の距離なのかは実感がなかったのですが・・・)

2014年は6日間日程でしたが、残念だったのは参加者の方が少なかった事でした。

そして今回3回目の鳥取県での「Webディレクター養成講座」だった訳です。


セミナーの様子

セミナーの様子


まさかの1人で10日間の依頼・・・

今回のお話ですが、元々は2010年に宮崎でやった「Webディレクター養成講座」が下敷きにありました。 2010年の研修は確かに日程は10日間で、そのアジェンダは名村が作らせていただいたものでした。

ただ、元々は「5日日程で名村が一人でするもの」を、色々な講師の方にも参加いただいて(今はとても呼べないし書けないような高名な方が講師でした)、「結果として10日間」になったセミナーだったんです。

それが今回のオーダーは、

「名村さん、(2010年の時と同じ)10日間のガッツリで、お願いします。他にも講師をしてもらえる方にあたりますが、1人で10日になるかもしれませんが、(過去宮崎でカリキュラム的には10日だったし)大丈夫ですよね?」

と・・・。

その時「あの時って・・・僕が10日間一人じゃなかったんだけどなぁーーーー(棒)」と心の中で思いながら「分かりました!」と元気よく即答した自分の「引き受け気質」を恨みたいです(笑)

冒頭で書いた通り、最終的に名村一人でさせていただくことになった訳です。 ただ、もちろん10日間一気にではなくて、

・木・金・土の3日間→一週あけて→木・金・土の3日間→一週あけて→金・土の2日間→一週あけて→金・土の2日間

という流れでの合計10日間でした。 そして今回、実は当日に更なるハプニングがありました。

予定外の2時間・・・・

初日の前夜の話なのですが、現地に前入りしてアテンド頂いた方とホテルの部屋に別れる時「名村さん、明日8時半に会場下に行きますので、8時20分にロビーで待ち合わせしましょう」との言葉・・・・。

その時は「あっ、分かりました!」と返事をしたのですが、部屋に入ってから「ん?10時開始なのに、会場に8時半入りって、随分余裕見るんだなぁ」とふとした疑問が。

名村のこの研修は、基本的に参加者は15名程度ですし、僕が一人で一日中話しをするので、セッティング等もあっという間なんです。なので、大箱でするセミナーと違ってそれほど余裕をみる必要もないはず・・・なのに。

そして初日に会場にいって関係者の方々にご挨拶をしてセッティングをしていたら、主催の方から「では9時から18時まで長丁場ですが、みなさん、よろしくお願いいたします。」との一言が・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・??? え?・・・・・・・9時〜18時?!

僕は一日の講義時間は「10時〜17時」の想定でいたんです。 過去のこの手の研修時間が10時〜17時だったので、てっきりそのつもりだと思い込んでいたんですが、諸事情で9時〜18時とのこと。

瞬時に計算を始める・・・・

「えと・・・1日分で予定より2時間追加・・・10日で予定より20時間追加・・・。 座学が8日目までだとしても、16時間分はカリキュラムの内容が足りない計算に・・・。」

初回の3日分は既にカリキュラムのスライドは印刷済みなので、今更6時間分を追加する余裕も無いし、どうしたものかと、結構焦りまくって初日を迎えたのを覚えています(笑)

でも、あちこちで色々話をさせていただいた経験もあり、一日2時間ぐらいならなんとか話を膨らませて、事例も紹介等もしたり、質疑応答もさせていただいたりすれば、どうとでもなるものです。

結果的には最終日まで何とかなりました(笑)


鳥取砂丘コナン空港

鳥取砂丘コナン空港


東京と地方の違い

さて、地方でのセミナーをしていて感じる「東京と地方の違い」について所感ですが、少し話をしておきたいと思います。 名村は、特に今のサービシンクになってから頂いている講師の話として、地方も多少お伺いしています。

ブログ等で告知や、オープンでないものも合わせると、「東京、宮崎、鳥取、愛知、大阪、神戸、福岡、仙台、京都、静岡」で「Webディレクター養成講座」をさせていただいています。

名村がお伺いをした中で言うならば「宮崎、鳥取、仙台、静岡」の辺りが、みんながみんな「地方」というわけではないとおもいますが、常々感じる事があります。 (便宜上ここからは「地方」と呼称しますね)

横の繋がりが驚くほど無い

地方で感じるのは、制作者の横の繋がりが驚くほど無い事です。 まぁ、「横の繋がりがあったらどうやねん?」ってのは後で書きます。

それよりもまず地方にお伺いすると、15人ぐらい集まっていただいた方、全員が初対面というのはまだしも全員が全員、自社以外の社名を聞いたこともない、ということがあったりします。 東京でも15人ぐらいだったらそういうことがあるとは思います。 ただ、東京の「知らない」と違うのは、「他社・他者への興味そのものがない」感じなんです。

この「他社、他者への興味がない」というのは結構危険で、自社の中だけで尺度を図ろうとするので、なかなか絶対値での差を把握しづらくなると思うんです。

僕は時々ここでも書いていますが、自分が会社の代表になってしまってからは特にですが、社外のディレクターさんに自分を測るための物差しをおいています。 その意味では、他社さんの案件や進め方には興味もありますし、それを回している人にも興味がとても有ります。

僕自身が今あるのは、そうして知り合うことができた方々との彼我の差を痛感することで、その差をどう埋めるか?とやっきになって背伸びした結果、と思っています。

その意味では、自社だけではなくて、周りの世界にもすごい人はいっぱいいる訳で、自社の周りとの繋がりを何かしらの形で持つのは大事だと思っています。

横のつながりの有益性

名村にとって横のつながりの有益性は、前段でも書いた「彼我の差を知る」ということがあります。

僕は恐らく結構負けず嫌いな方なので、余計にそういった風に働くと思うのですが、彼我の差を知ってしまうと「どうすれば、そういったすごい人達に負けないようになれるか?」という風に動きがちです。 逆にそういった差が見えないと、基本的には僕はグータラなサボり魔なので、際限なくサボってしまいます。

その意味では、横の繋がり、特に「自分より上位」の存在を知り、そういった人と話をさせていただくことは、少なくとも僕に撮っては成長にもモチベーションのためにも重要です。

あっ、余談ですが、僕は「モチベーション」は会社とか外的な何かから与えられるなんて全く思っていなくて、自分が目の前の事に対してどう対処するか?において「モチベーションを自分で作る」と思っています。 なので、自分でモチベーションを作るためにも、外部の方々との接点を作っています。

他に有益性があるとしたら単純です、「仕事の可能性」です。 別に他社の人と繋がって、ごますり・手揉み営業をしなさい、ということではありません。 一方で仕事自体はやっぱり「人と人の繋がり」で生まれている部分は十分にあると思います。

その意味で、制作者同士でどういった仕事になるのか?は分かりません。 でも繋がりの結果が「仕事」に繋がるとも思っているので、やっぱり横のつながり自体は大事だなぁ・・・と思っていたりします。

情報感度がやっぱり低い

次に地方の方であるのは、この「情報への感度」がどうしても低くい、と思えます。 よく全く他の業界の方とお話をしていると「IT業界の方ってインターネットで繋がってて、なんでも知ることができるから、どこででも仕事できるんじゃないですか?」という話。

これ、合ってもいるんですが、間違えてもいます。

合っているのは、文字通り「Webで探せばどんな情報でも大概出てくるので、ネットに繋がり際すれば場所は関係ない」って事です。

ただ、間違えているのは「Webで探せば探せる事を、知っているか」「どれぐらい『知らないことを探そうとする』か」という部分が地方の方はどうしても低いということ。

周り人、しかも下手をしたらクライアントからの「この間ネットで調べてたらさ・・・」とか「あぁ、この間Facaebookで流れてたね」というような「調べたら」とか「これって知ってて普通じゃない?」というレベル感の共有がなされていないって意味では、地方の方とか、それこそ「この程度はこの仕事をする上で知っていないと恥ずかしい」という感覚を持ち得ないまま地方に行った方は、情報感度が低いままであることが多いです。

なぜ低いかというと、極論すると「そもそも調べようともしない」んです。 なので、結果として情報感度が低いのです。

これが都内で、何かしらの横の繋がりを持っていると、否応なくその「他者の高い感度」にさらされるので、「そういうの別にいいや〜」と思わなければ、彼我の差を見せつけられます。

そうなると、それをどうしかしていかないと、そもそも仕事にありつけなくなります。(お客さんから「え、こんな事も知らないの?」と思われたらプロ失格ですからね)

地方の方は「出来ない」のではない、「方法考える思考」が足りない

最後に地方が勘違いしているのが「首都圏で動いているような案件は出来ない・回せない」と思っていること。 いや、実際「出来ない」かもしれないし「回せない」かもしれないんです。

でも、それは回す「方法考える思考」が足りないのであって、実務そのもののスキルが全く足りないという訳ではないのです。

名村個人でいえば、別に毎回の仕事で最初から「こうすれば完璧!」みたいなことを思って仕事をしたことは殆どありません。

それよりは「今手持ちの武器(=経験)とをどうやって使えば仕事を進められるか?」というのを「如何にして考えてひねり出すか?」という事だと思っています。

この部分の速度を如何に早くするか?ってのは結構こだわっていて、セミナーとかでは僕は「思考の瞬発力」とよく言っています。

話を戻して。 地方の方は、要は「出来ない」という観点において「メンタルブロック」が働いていて、その結果として出来ないんです。 「出来ない」理由は大して考えなくても、簡単に生まれるんです。 そうではなくて「どうしたらやれるか?」を考えるのがディレクターの仕事です。

社内でリソースが足りなければ、別の会社、それが同じエリアだろうと、極端にいえば東京の会社だろうと探して依頼をすればいいんです。

その「どうやってやれるか?」という思考を巡らせるのが、地方の方は足りない、というのが所感です。

だからずっとやってる「Webディレクター養成講座」

と、すごく地方をdisってるような書き方をしていますが、それは逆で、どちらかというと、上で書いたようなことが改善されれば、地方にいても確かに仕事はできるし、首都圏の仕事を行なうことだってできると結構本気で思っています。

だからこそ、この「Webディレクター養成講座」自体はもう15年ぐらいずっと続けさせていただいています。

名村程度が持っている知見なんて、文字通りクライントとのNDAに引っかからないかぎりは、聞かれれば・・・・、いや聞かれなくても(笑)話をしているつもりですし、企画書だろうと、見積書(金額面は流石に消してますけど)だって全部お見せしています。

それは、やっぱり、この世界で19年ぐらい飯を食べさせてもらっていて、そろそろ「おっさん」にもなってきているので「おっさんはおっさんの仕事しろ」的な意味も含めて、次の世代とか、ニアショアができる環境構築に寄与したいなーという気持ちだけだっりします。

前半が長くなったので、後半に「カリキュラムの中身」とか「実際の受講いただいた方たち」については後半で話をしたいともいます。


著者・名村晋治のプロフィール

名村晋治

株式会社サービシンク

代表取締役 / チーフディレクター

名村晋治

不動産業界に特化したサイト制作のプロデュース、ディレクションを担当。
Webブランディングの入門教科書」、「変革期のウェブ」を毎日コミュニケーションズから出版してます。

詳しいプロフィール

大学二年生の96年からWebの制作集団ネイムヴィレッジを主催。
大学卒業の99年までの間に100社ほどのサイト制作の企画、ディレクション、デザイン、Perlでの開発、マークアップに携わる。
大学卒業と同時に俳優になるために上京し俳優修業開始。
2000年からは俳優修業の傍ら不動産検索サイトHOME'Sを運営している株式会社ネクストに合流。
俳優としては、舞台演劇、プロの声優としても活動したが最終的30歳を目前に足を洗う。
2005年に同社が自社媒体に注力するためSips業から撤退する事になり、社長とシェイクハンドをして退社。
2005年から株式会社ソナーに合流し取締役なども歴任し不動産業界のサイト制作のディレクションからフロント実装を担当。
2010年1月12日から株式会社サービシンクを立ち上げ、代表取締役に就任。
サービシンクでは不動産業界に特化したサイト制作のプロデュース、ディレクションを担当。
Webブランディングの入門教科書」、「変革期のウェブ」を毎日コミュニケーションズから出版してます。

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