MS曰く「最大のライバルはGoogleではなくIBM」
2006年01月06日
ITmediaで「最大のライバルはGoogleではなくIBM」――ビル・ゲイツ会長といったニュースが出ていた。
この中でビルゲイツ氏の言葉として、
「人々は、当社の数ある競合の1社ばかりに関心を注ぎがちだ。昔からそうだった」
という物が、あるが、これはまさに言いえて妙だと思う。
今のさまざまな生産活動の中で競合会社が一つだけなんて事は稀有な事だ。
ただ、人間の頭の処理的には、別の言い方をするならば扁桃体に訴求する書き方として、善と悪、AvsBといった構図にしてしまうのが一番分かりやすく受け入れやすいからだ。
しかし、その中でやはり凄いと思えるのは、ビル・ゲイツ氏が、
Googleがナンバー1でナンバー2はAppleだ。Nokiaやソニーなどには悪いが
と認めてしまっている事だ。
一企業の代表であり、広告塔であり、創業者が、自社が世間的には誰もそうと認めていても、自社が劣っていると言い切ってしまうのは日本でなかなかないのではないだろうか?
こういう企業の姿勢は恐らくMicrosoftのブランディングをする際に、一つの印象をユーザー側に提供することが出来ると思う。
この場合、自分が感じるものとしては「潔さ」であったり「どこかしらの余裕」、そして「決意」といったものだ。
マイクロソフトの製品の全てに満足をしている人は居ないと思うが、使わなければ世の中の多くのビジネスパーソンは何も出来なくなってきてるのも事実だと思う。
そんな中使っているものが一過性ではなく、未来に渡って使い続けるものを提供している場合、その会社そのもののブランディングの方向性とそこから喚起されるもののコントロールは重要な経営資産と考えるべきだ。
「当社はいたってシンプルだ。なぜなら30年前、私たちはソフトウェア企業であると言った――そしてこれから5年後、10年後も私たちはソフトウェア企業であると言い続けるだろう」
そして何よりユーザーに明確にブランド・プロミスを提供しているのはビル・ゲイツ氏のこの言葉だ。
マクロソフトは多くのプロダクト・ソフトウェアを提供している巨大企業である認識は多くの人の中にある。
人によってはビジネスツールの提供者であり、人によってはコンシューマーゲームのハードウェア提供者だと思う。
となったとき、ユーザーは深いところで「結局マイクロソフトは自分に何を提供してくれるのか?」、そして「それは自分のためになるのか?」といった疑問を持つ。
それへの明確な答えを端的に伝えている。
これこそが企業(情報の提供者)がユーザー(情報を享受する側)へもっとも明確にしなければならないブランドプロミス(約束)であり、この姿勢は多くの企業が見習い、自社はどういったことをユーザーに提供していくのか、それをユーザーに分かる言葉で端的に語れるようになっていかなければブランド構築はなしえないのだと思っています。