仕事の雑感

追悼:Web業界の巨星、福井信蔵さん


福井信蔵さんがお亡くなりなった事をXでイム ジョンホさんのブログが流れてきたことで知りました。


福井信蔵さんといえば、90年代から2000年一桁世代にWeb制作を生業にした人にとっては文字通り「神」です。

「紙でも映像でもないWebサイトのデザインとはこういうものだ」というのを、圧倒的なデザインとして世にだした方といっても1mmも誇張がない。

福井信蔵さんに僕は直接お会いしたことはありません。 ですが90年台からWeb制作に関わっている以上、当然ながらどこにいても聞こえてくるお名前でした。

僕は1996年に関西でこの仕事を始めたのですが、当時は役者であり声優になることが自分の一番の大きな目標であり行動原理だった。それでも同時期に触れた「Web」というものに魅了されて、同時ものすごいいろいろなやり取りが繰り広げられていた某メーリングリストも当然みていました。

自分の中で「Webを本業にすることはないけど、これは凄い…」とただただ口を開けてぼーっとするほどかっこよかったのを覚えています。

そして、2004年にこの仕事を本業にして、mixiができました。
mixi内にできたWebクリエイターのためのコミュニティ「WebSig24/7」で同い年でbAにいる森田雄君にであった。

彼は福井信蔵さんが創業したbA(Business Architects)で第一線にいた。その彼を通してbAにあるクリエイティブの源泉、福井信蔵さんが作ったそれを間接的に感じていました。

当時、僕は29歳だったが、その圧倒的な経験と練度と密度に「同じ年でこんなやつがいるのか…」と驚愕したのは今も覚えている。そしてそれは今も変わらず感じていて、何をやっても追いつけない。でも、追いつけないから今も頑張れているので、決してネガティブな気持ちはない。

福井信蔵さんが創業したbAを通して、そのクオリティであり、そこを目指す姿勢に畏怖と憧れが同時にありました。

僕にとってですらデカすぎる巨星であり目標であり進む道を切り開いている方だっただけに、とてもとても残念です。

福井信蔵さんの切り開いたWebデザインの世界に献杯を捧げ、ご冥福を謹んでお祈り申し上げます。


名村晋治のプロフィール

Webディレクター 名村晋治

株式会社サービシンク

代表取締役 / テクニカルディレクター

名村晋治

1996年よりWeb制作に携わり、キャリア28年目のWebディレクター

2010年に不動産業界特化のWeb制作会社「サービシンク」を設立して、今も現場でディレクターとしてPMをしています。

詳しいプロフィール

大学在学中の1996年「Web制作集団ネイムヴィレッジ」を設立し100社を超えるサイト制作の企画、ディレクション、デザイン、マークアップ、システム開発に携わる。

2000年不動産検索サイトHOME'Sを運営している株式会社LIFULL(旧:ネクスト)に合流。
2005年からは都内のWeb制作会社に合流し取締役を歴任。同社ではフロント実装からディレクションまでを担当。

2010年東京のWeb制作会社・ホームページ制作会社、株式会社サービシンクを立ち上げる。 不動産業界に特化したサイト制作の、アートディレクション~HTML実装設計~システム設計のすべてに携わるジェネラリスト。基軸としてはクライアントの商売に寄り添う為に、徹底的に思考を巡らせる為のディレクションを行う。

Webブランディングの入門教科書」、「変革期のウェブ」を「マイナビ出版」から出版。

2000年から「Webディレクター育成講座」を独自開催し、40時間のカリキュラムを通し「仕事を回す事ができる」Webディレクター育成手法には定評があり。
首都圏のみならず地方でも講座実施、参加者は延べ700人を超える。 もう一つのキャリアとしてプロとして舞台俳優、声優。 1996年から養成所に通い始め2004年に廃業するまでの間はWebディレクターと二足のわらじでの活動。

俳優としては、東京の小劇場でシェイクスピアやマリヴォーといった古典を中心に舞台に出演、また声優としては大きく活躍できる程ではありませんでしたが、NHK海外ドラマや、洋画等、ゲームでの声優を行っていました。

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