web2.0の今の限界点
2006年05月30日
5月29日のjapan.internet.comで興味深い記事がありました。
<strong>実際にお金が動いているのは Web1.0な世界、変わらぬ従来型ビジネスモデル</strong>
■ 実際にお金が動くのは「1.0」の世界
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「mixi 自体は Web 2.0的と言われているが、そこに発生しているビジネスは今までのリーチ・ターゲットを重視した王道と言えるだろう。Google や Amazon は2.0的な特徴と収入モデルがきれいに一致している特別な例だが、今日本で2.0と言われている企業のビジネスモデルも実際は1.0だ」
これを読んで「あぁ、やっぱりな」と思いました。
僕は以前より、Web2.0にはどうしても食指が働きませんでした。
理由は結構沢山の人にも言っているのですが、サービスに直結していないからでした。
世間で「Web2.0的」と「的」という文字が付かないとなかなかイメージしてもらえないように、Web2.0は所詮は概念でしかないので、90年代に一世を風靡した「マルチメディア」と同じでそこには何もないなぁ、とずっと思っていました。
何もないというのは語弊がありますが、「サービス」に直結しない、という意味です。
かねてからWebとは何ですか?と言われると、僕は「サービス」であり「問題を解決する為のツール」と思っていますし、言っていますが、Web2.0はそれに直結するものではないということです。
それぞれに対して付加価値を与える事は出来ても、それ自体がソリューションの全体を担えるほどのものではないと、いいますか。
前述した「Web2.0的な・・・」と表現する人が多いのは、それを語っている人自身も「Web2.0」そのものを説明できないから、「多分これはWeb2.0と呼ばれる範疇に入っている・・・・と思われるから・・・・」というぐらいで、明確に言い切れないから、そういう表現を使ってしまうのだと思っています。
そして、Web2.0はやっぱり単体で「じゃ、なんやねん?」という事への明確な答えを出せる人はほとんどいないのではないかな?と。
もちろん中野さん(誰)であったりそれを明確に言える方はいるかもしれませんが、いい加減、世の中がサービスとして形のないものを追いかけていた事に気が付いてきたのではないかな?と思えて仕方がありません。
Ajaxであったり、タグをつけるであったり、というのは、これまでの技術革新の中でも「サービスをよりより形で提供する手段はないだろうか?」という思考の元であれば、誰かがいつか生み出していた技術だと思われるんです。
でもそれをもってWeb2.0だ!と声高に言われても、それは本質とは違うよなぁ、とずっと思っていたのですが、引用に出した記事を見て、それを思いました。
その中で、「あぁ、確かにそれは重要だ」と思えたのは後半のこの記事。
■ Web2.0 で注目すべきは検索と CGM
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AISAS における消費者は、関心を持つとまず検索という行動を起こし、EC で商品を購入する。さらに購入後には消費者同士で情報を共有し、いわゆる口コミサイトなどで発言、それが他者の購買にも影響を与えることになる。
購入へ至るプロセスに「検索」と「共有」が加わったことにより、SEO や SEM などの検索関連マーケティング、そして Blog や SNS といった消費者主導の情報発信「CGM(Consumer Generated Media)」が重要になってくる。
「消費者主導の情報発信『CGM(Consumer Generated Media)』」に関しては、WebSig24/7で和田さん(誰)が同意の事を話していたと思いますが、個人的にも96〜99年、2000〜2004年とドラスティックに変化してきたインターネットの世界ではひとつのパラダイムシフトであろうと。
Webサイトが生まれた時から抱えている最大の問題点でもある「情報発信能力がない」という点をやっと補完する手段が出てきたのだと、04年頃にいわゆるBlogツールが出てきて、一般ユーザーに受け入れられた時に思いました。
購買のAIDMAがネットの世界が生まれた事により、当てはまらなくなってきたのは2000年頃にはすでに言われていました。
ここに来て、Yahoo!とGoogleというそこにない情報はインターネットに存在しないのと同義であり、Google八分という言葉が生まれるまでになった時代、ここにある検索とCGMがWeb2.0(と呼ばれるものがあるのであれば)を牽引していく手段なのだろうと。
あとは、それをどうユーザーへのサービスとして、企業が提供するのであれば、最終的に収益に結び付けていくのか?を考えるのが、今のプロデューサーとしての進むべき道かな?と思っています。