スマートウォッチの今と、それを突破する「何か」の必要性と、その「何か」について
2013年11月26日
世間ではアップルが「iPhone」市場の飽和で、次は「iWatch」じゃないか?的な話も出ていたりします。
ただ、これってホントなんでしょうか・・・。
個人的にはスゴイ疑問だったりしています。
そもそもとして、ちょっと調べるとかなりの数が出ている「スマートウォッチ」ですが、実際何に使っている or 使われているんでしょうか・・・。
腕時計を再デザインしてしまった携帯電話
個人的には今のスマートフォンではなく、そもそも「携帯電話」、いわゆるガラケー(フューチャーフォン)が、今の「腕時計」というものを再デザインしてしまったと思っています。
携帯が出てくるまで、「時間」を知るための携帯手段は「腕時計」しかありませんでした。
しかし「携帯電話」が生まれ、そこに液晶画面がはまり、時間が表示されるようになってから「腕時計」というものの重要性は一気に下がったのではないかと思います。
ファッションの意味としてではなく、機能としての「時計」は「携帯電話」が圧倒的に広まった日本においては、全く意味をなさなくなった。
つまりは形を全く変え、まさに「腕時計」を再デザインしたのが「携帯電話」だったのだと思います。
腕時計の機能はすでにスマートフォンに吸収されている
腕時計の機能が携帯電話に移った理由は明確だと思うんです。
- 「時間を見る」という動作が、腕を見る、ということに対して、ポケットから携帯電話を出すという事でも許容された。
- 携帯電話で時間を見たほうが「時間を見る」以外の事もできる。
- 携帯電話が腕時計以上に「持ち歩くのを忘れられない」ものになった。
といったことがあると思います。
・・・そりゃ、腕時計は携帯に負けますわな。
ではスマートウォッチはどうなのか?
となると明確なんですが、スマートウォッチが市場で売れるためには、
- 今一度、携帯電話やスマートフォン以上に「腕時計」の方を持ち歩く優位性を築けないといけない。
- 携帯電話やスマートフォンでできている機能が、スマートウォッチにないといけない。
- 携帯電話やスマートフォンが提供しているUX(user experience)をスマートウォッチがうわまらわないといけない。
ってことが必要なはずなんです。
でも、
- 腕時計で電話をするか?
- 腕時計からイヤホンやヘッドホンのケーブルを繋げて音楽を聞くのか?
- 腕時計として許容される画面サイズが、スマートフォンの代替になるのか?
ってことを考えたら・・・個人的にはスマートウォッチって「広まらないのでは?」と思わざるをえません。
個人的に今スマートウォッチで使うであろう機能
個人的に今スマートウォッチを買ったとして、実際に「この機能は使うかも・・・」と思えるものを想像してみました。
実際に世のスマートウォッチはそういった機能があるみたいですが、その中でも自分の利用としては、
- 電話への着信確認
- ミュージックプレイヤーの制御
- 活動計のビューワー
といった利用方法しか思い当たりません。
要は「スマートフォンの補助機能」以上ではない感じです。
スマートフォンを出すまでもなく「腕を見て済む方がいいもの」といえばこんなものじゃないでしょうか。
ブラウザやメールを見るといっても、腕を見ながら複数行のメールを読むのも大変だし、ブラウザをみても殆ど何がなんだか分からないでしょう。
Webサイトは、確かにスマートウォッチ最適化されたサイトがあれば別でしょうが、それは「見てみられなくはないけど、ポケットからスマートフォン出して見た方がいい」と多くの人は思ってしまうのではないでしょうか。
スマートウォッチが広まるために必要なのは「体験」
スマートウォッチが広まるには、恐らく、
今の時点では誰も想像していない経験を提示すること
が求められるのだと思うんです。
例えば「カーナビ」
例えば、サブリンさんとの話でよく出るのがカーナビ。
アレも最初出た時「いやいや、地図でいいじゃん」って人が沢山いたらしいです。(名村はカーナビを買ったのは2002年とかだったので、ある程度「普通」になった時代でしたので、その感覚はあんまり実感ないのです)
でも一旦「カーナビを導入した」人が得られた「体験」ってのはやっぱりすごかった。
僕も初めてカーナビを車に取り付けた時、もうなんと言い表していいか分からない「安心感」ってのがありました。
例えばiPod
iPodが出た時も「あんなに沢山の音楽なんてどうせ聞くわけじゃないんだから、いらないよ」という人が沢山いました。
「MDでデジタル録音が出来るのに、なんで必要なの?」という人も沢山いました。
でも、今やシリコンプレイヤーは世の普通になりました。
それはやっぱり「全部を聞くわけじゃないけど、全部の音楽を持ち歩ける」ことが提供する「体験」がすごかったんだと思います。
ということは、「スマートウォッチ」も恐らく「今は想像も付かないけど、それがあることで出来る体験」ってのが重要なキーワードになるのは間違いないでしょう。
となると、実はアップルとかが作っているのは、実はその「スマートウォッチが提供する体験」なのではないかと思う訳です。
その「こんな物があったらどんな体験が出来るだろう?」「こんなものがあったらどんな体験を提供したいだろう?」ということから「iWatch」を作っているのではないかと思っています。
そう考えると、意外とワクワクしてくる「スマートウォッチ」
今現在、僕が想像できる「スマートウォッチ」の体験は上に書いたとおり「大したことない」です。
でも、アップルが、他のベンダーが「スマートウォッチが提供する体験」を真剣に考えていたら、もしかしたらスマートウォッチはワクワクできるプロダクトなのかもしれないんです。
Googleが作ったGoogleグラスも、今現在は「面白そうだけど、どうするねん?」って感じではあります。
でも、さらにあのプロダクトがブラッシュアップし、生活に馴染めるところまでたどり着いた時に提供される「体験」はきっとワクワクできると名村は思っています。
と、今現在の「スマートウォッチ」には全く期待をしていないのですが、この前にある「体験を提供するスマートウォッチ」には、ものすごい期待をしています。