仕事の雑感

スマートウォッチの今と、それを突破する「何か」の必要性と、その「何か」について

スマートウォッチが携帯電話を乗り越えるか?

スマートウォッチが携帯電話を乗り越えるか?

世間ではアップルが「iPhone」市場の飽和で、次は「iWatch」じゃないか?的な話も出ていたりします。
ただ、これってホントなんでしょうか・・・。
個人的にはスゴイ疑問だったりしています。

そもそもとして、ちょっと調べるとかなりの数が出ている「スマートウォッチ」ですが、実際何に使っている or 使われているんでしょうか・・・。

腕時計を再デザインしてしまった携帯電話

個人的には今のスマートフォンではなく、そもそも「携帯電話」、いわゆるガラケー(フューチャーフォン)が、今の「腕時計」というものを再デザインしてしまったと思っています。

携帯が出てくるまで、「時間」を知るための携帯手段は「腕時計」しかありませんでした。
しかし「携帯電話」が生まれ、そこに液晶画面がはまり、時間が表示されるようになってから「腕時計」というものの重要性は一気に下がったのではないかと思います。

ファッションの意味としてではなく、機能としての「時計」は「携帯電話」が圧倒的に広まった日本においては、全く意味をなさなくなった。

つまりは形を全く変え、まさに「腕時計」を再デザインしたのが「携帯電話」だったのだと思います。

腕時計の機能はすでにスマートフォンに吸収されている

腕時計の機能が携帯電話に移った理由は明確だと思うんです。

  • 「時間を見る」という動作が、腕を見る、ということに対して、ポケットから携帯電話を出すという事でも許容された。
  • 携帯電話で時間を見たほうが「時間を見る」以外の事もできる。
  • 携帯電話が腕時計以上に「持ち歩くのを忘れられない」ものになった。

といったことがあると思います。

・・・そりゃ、腕時計は携帯に負けますわな。

ではスマートウォッチはどうなのか?

となると明確なんですが、スマートウォッチが市場で売れるためには、

  • 今一度、携帯電話やスマートフォン以上に「腕時計」の方を持ち歩く優位性を築けないといけない。
  • 携帯電話やスマートフォンでできている機能が、スマートウォッチにないといけない。
  • 携帯電話やスマートフォンが提供しているUX(user experience)をスマートウォッチがうわまらわないといけない。

スマートウォッチ

スマートウォッチ


ってことが必要なはずなんです。
でも、

  • 腕時計で電話をするか?
  • 腕時計からイヤホンやヘッドホンのケーブルを繋げて音楽を聞くのか?
  • 腕時計として許容される画面サイズが、スマートフォンの代替になるのか?

ってことを考えたら・・・個人的にはスマートウォッチって「広まらないのでは?」と思わざるをえません。

個人的に今スマートウォッチで使うであろう機能

個人的に今スマートウォッチを買ったとして、実際に「この機能は使うかも・・・」と思えるものを想像してみました。
実際に世のスマートウォッチはそういった機能があるみたいですが、その中でも自分の利用としては、

  • 電話への着信確認
  • ミュージックプレイヤーの制御
  • 活動計のビューワー

スマートフォンとの連動必須、でも補助だよね。

スマートフォンとの連動必須、でも補助だよね。

といった利用方法しか思い当たりません。

要は「スマートフォンの補助機能」以上ではない感じです。
スマートフォンを出すまでもなく「腕を見て済む方がいいもの」といえばこんなものじゃないでしょうか。

ブラウザやメールを見るといっても、腕を見ながら複数行のメールを読むのも大変だし、ブラウザをみても殆ど何がなんだか分からないでしょう。
Webサイトは、確かにスマートウォッチ最適化されたサイトがあれば別でしょうが、それは「見てみられなくはないけど、ポケットからスマートフォン出して見た方がいい」と多くの人は思ってしまうのではないでしょうか。

スマートウォッチが広まるために必要なのは「体験」

スマートウォッチが広まるには、恐らく、

今の時点では誰も想像していない経験を提示すること

が求められるのだと思うんです。

例えば「カーナビ」

例えば、サブリンさんとの話でよく出るのがカーナビ。
アレも最初出た時「いやいや、地図でいいじゃん」って人が沢山いたらしいです。(名村はカーナビを買ったのは2002年とかだったので、ある程度「普通」になった時代でしたので、その感覚はあんまり実感ないのです)

でも一旦「カーナビを導入した」人が得られた「体験」ってのはやっぱりすごかった。
僕も初めてカーナビを車に取り付けた時、もうなんと言い表していいか分からない「安心感」ってのがありました。

例えばiPod

iPodが出た時も「あんなに沢山の音楽なんてどうせ聞くわけじゃないんだから、いらないよ」という人が沢山いました。

「MDでデジタル録音が出来るのに、なんで必要なの?」という人も沢山いました。

でも、今やシリコンプレイヤーは世の普通になりました。
それはやっぱり「全部を聞くわけじゃないけど、全部の音楽を持ち歩ける」ことが提供する「体験」がすごかったんだと思います。

ということは、「スマートウォッチ」も恐らく「今は想像も付かないけど、それがあることで出来る体験」ってのが重要なキーワードになるのは間違いないでしょう。


となると、実はアップルとかが作っているのは、実はその「スマートウォッチが提供する体験」なのではないかと思う訳です。
その「こんな物があったらどんな体験が出来るだろう?」「こんなものがあったらどんな体験を提供したいだろう?」ということから「iWatch」を作っているのではないかと思っています。

そう考えると、意外とワクワクしてくる「スマートウォッチ」

今現在、僕が想像できる「スマートウォッチ」の体験は上に書いたとおり「大したことない」です。

でも、アップルが、他のベンダーが「スマートウォッチが提供する体験」を真剣に考えていたら、もしかしたらスマートウォッチはワクワクできるプロダクトなのかもしれないんです。

Googleが作ったGoogleグラスも、今現在は「面白そうだけど、どうするねん?」って感じではあります。
でも、さらにあのプロダクトがブラッシュアップし、生活に馴染めるところまでたどり着いた時に提供される「体験」はきっとワクワクできると名村は思っています。

と、今現在の「スマートウォッチ」には全く期待をしていないのですが、この前にある「体験を提供するスマートウォッチ」には、ものすごい期待をしています。


名村晋治のプロフィール

Webディレクター 名村晋治

株式会社サービシンク

代表取締役 / テクニカルディレクター

名村晋治

1996年よりWeb制作に携わり、キャリア28年目のWebディレクター

2010年に不動産業界特化のWeb制作会社「サービシンク」を設立して、今も現場でディレクターとしてPMをしています。

詳しいプロフィール

大学在学中の1996年「Web制作集団ネイムヴィレッジ」を設立し100社を超えるサイト制作の企画、ディレクション、デザイン、マークアップ、システム開発に携わる。

2000年不動産検索サイトHOME'Sを運営している株式会社LIFULL(旧:ネクスト)に合流。
2005年からは都内のWeb制作会社に合流し取締役を歴任。同社ではフロント実装からディレクションまでを担当。

2010年東京のWeb制作会社・ホームページ制作会社、株式会社サービシンクを立ち上げる。 不動産業界に特化したサイト制作の、アートディレクション~HTML実装設計~システム設計のすべてに携わるジェネラリスト。基軸としてはクライアントの商売に寄り添う為に、徹底的に思考を巡らせる為のディレクションを行う。

Webブランディングの入門教科書」、「変革期のウェブ」を「マイナビ出版」から出版。

2000年から「Webディレクター育成講座」を独自開催し、40時間のカリキュラムを通し「仕事を回す事ができる」Webディレクター育成手法には定評があり。
首都圏のみならず地方でも講座実施、参加者は延べ700人を超える。 もう一つのキャリアとしてプロとして舞台俳優、声優。 1996年から養成所に通い始め2004年に廃業するまでの間はWebディレクターと二足のわらじでの活動。

俳優としては、東京の小劇場でシェイクスピアやマリヴォーといった古典を中心に舞台に出演、また声優としては大きく活躍できる程ではありませんでしたが、NHK海外ドラマや、洋画等、ゲームでの声優を行っていました。

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