プロデュース

グーグルの携帯電話プラットフォーム「Android」にみるGoogle戦略

米国時間11月5日にGoogleが、携帯電話向けソフトウェアのプラットフォーム「Android」を発表しました。
iPhoneが現実のものとなった後の携帯電話業界の大方の好奇心は、「GPhone」とか「GooglePhone」と予想されていたこの「Android」のことだったと思います。

もう少しライトな人にとっては、プロダクトそのものが出てくるのかと思っていた人もいるかもしれません。(名村もそうです(笑))
その意味では少し残念でしたが(笑)

閑話休題。
携帯電話向けソフトウェアのプラットフォームという事で、賛同をしている企業がないと成立しにくいのですが、そのための団体Open Handset Allianceが結成され、アプリックス,米Ascender,米Audience,米Broadcom,中国China Mobile,米eBay,スイスEsmertec,Google,台湾High Tech Computer(HTC),Intel,KDDI,リビングイメージ,韓国LG Electronics,米Marvell,米Motorola,米NMS Communications,スイスNoser,NTTドコモ,米Nuance Communications,米Nvidia,米PacketVideo,米QUALCOMM,韓国Samsung,米SiRF Technology,米SkyPop,米SONiVOX,米Sprint Nextel,米Synaptics,スウェーデンThe Astonishing Tribe(TAT),イタリアTelecom Italia,スペインTelefonica,米Texas Instruments(TI),T-Mobile,米Wind Riverの世界34社が賛同をしているようです。

Googleが言うには、この「Android」で、


機器メーカーや携帯事業者は自由にカスタマイズ可能なAndroidの採用により大幅にコストを下げることができ、開発者にとってはデバイスへの完全なアクセスとツール群によりサービス / アプリの迅速な開発が、消費者にとっては安価で高機能かつ優れたインターフェースとリッチなインターネットアプリケーションを備えた端末の入手が可能になる。

とのこと。
日本などでは、国内での熾烈な争いはあるものの、そもそもの土台の問題でモトローラーとかNokiaの様な世界規模の勢力を作ることができていないわけですが、プラットフォームの統一によって、事業者ごとの壁が取り外され、オープンな状態になればとは思いますが、それはGoogleの思惑なんだろうと思います。

このブログでも何度かGoogleの目指すところはエントリーに上げたこともあるのですが、「莫大な量の情報を収集(検索エンジンとしてのGoogle)」→「個々のPCの中に保存される情報をWeb上に保存するインフラを作る(GmailやGoogleノートブック、カレンダー文章とスプレッドシートなど)」→「オンラインとオフラインの垣根を崩すアプリケーションの提供をする(Google Gears)」→「独自のネットワークアプリケーションを提供する(Android)」という道がどんどんつながってきているわけです。

これによって、PCは今後純然たるネットワーク上のデータを処理する用途がますます高まってくるように思えてきます。
場合によってはCPUやメモリさえ処理能力が高ければ、ハードディスク(HDD)そのものはほとんどいらないレベルになってくるのかもしれないとさえ思えます。
もちろん動画処理などの用途には、現在でも通常のビジネスユースでは耐えれないハイスペックなマシンが使われている意味では住み分けはあるのだから、それらのものまで、HDDが不要になるという意味では当然ないですよ。


この中で今回ふと頭をよぎったのは「Google Gears」の存在です。
一時鳴り物入りの様に告知がされたものの、最近はめっきり影を潜めている感がある「Google Gears」。
これはオフライン状態でもブラウザ上でウェブアプリケーションを利用できるようにする技術ですが、これをGoogleがこのまま黙ってうずめているつもりはないだろうと思っていました。

個人的に今回の「Android」に「Google Gears」の技術が実装されていくことで、ますますオンラインとオフラインの境目を少なくしていくのではないかな?と予想していたりします。
いくら携帯端末を手に入れたとしても、まだインフラ側の問題があるので、個々人の携帯が常にネットワークに接続している状態というのはあり得ないでしょう。
そうなった時に、携帯端末を情報端末にして、それがマルチディバイスな状態として成立するには、オンライン・オフラインの境がないことが前提になってきます。
その意味では、名村が使っているAUでは「電話帳お預かりサービス」を行ったり、使い勝手が独自路線すぎてまだまだワンストップでは使いにくいのですが、au one My Pageといったサービスで携帯とWebの連動を図ろうとしています。

これをGoogleが推し進めていけば、すでにカレンダー文章とスプレッドシートといったGoogleのプラットフォームを利用しているユーザーは世界規模でいるわけですから、その利用価値を「便利だ」と思うユーザーは潜在的にものすごい量になるはずなんです。

もちろん現段階ではWeb側の技術としての「Google Gears」ではありますが、今後マルチプラットフォームにおけるオン・オフラインをつなぐ仕組みに仕上げていくのではないかな?と思ったりして気に留めています。

ただ、もうちょっとWeb側で使える状態へバージョンアップしてくれると嬉しいなぁ、と個人的には思うんですけどね(笑)
AscentNetworksさんの様に「Google Gears」をうまく使って(マッシュアップというレベルを超えますが)企業向けWikiサービス「Synki」(シンキ)を作られていたりしますが、その意味でももっと使い方次第では便利な仕組みを考えられそうな気がしています。

どちらにしても、某世界で一番でっかいIT企業(どこ)の提供しているモバイル版OSの現状のバージョン6は、某携帯端末機種で鳴り物入りで搭載されていたものの、機種そのものは使いがってがいいのですが、OS側の使い勝手があまりにも追いついていない感がありました。

その意味で、Googleの発表した今回の「Android」と、それが乗るプロダクトには大いに期待をしているところがあります。


iPhoneのインタフェースとくっついたりしないかなぁ・・・・・・。
ほら、Googleは明らかに「某世界で一番でっかいIT企業(どこ)」をつぶしにかかっているだと思いますし(笑&謎)、Appleさんは積年の恨み(謎)を晴らすためにも・・・・とかって危ない妄想をしてみたりと、期待は膨らみます。


著者・名村晋治のプロフィール

名村晋治

株式会社サービシンク

代表取締役 / テクニカルディレクター

名村晋治

1996年よりWeb制作に携わり、キャリア25年目のWebディレクター

大学在学中の1996年「Web制作集団ネイムヴィレッジ」を設立し100社を超えるサイト制作の企画、ディレクション、デザイン、マークアップ、システム開発に携わる。

2000年不動産検索サイトHOME'Sを運営している株式会社LIFULL(旧:ネクスト)に合流。
2005年からはWeb制作会社に合流し取締役を歴任。同社ではフロント実装からディレクションまでを担当。

2010年株式会社サービシンクを立ち上げる。 不動産業界に特化したサイト制作の、アートディレクション~HTML実装設計~システム設計のすべてに携わるジェネラリスト。基軸としてはクライアントの商売に寄り添う為に、徹底的に思考を巡らせる為のディレクションを行う。

Webブランディングの入門教科書」、「変革期のウェブ」を「マイナビ出版」から出版。

2000年から「Webディレクター育成講座」を独自開催し、40時間のカリキュラムを通し「仕事を回す事ができる」Webディレクター育成手法には定評があり。
首都圏のみならず地方でも講座実施、参加者は延べ700人を超える。

詳しいプロフィール

もう一つのキャリアとしてプロとして舞台俳優、声優。 1996年から養成所に通い始め2004年に廃業するまでの間はWebディレクターと二足のわらじでの活動。

俳優としては、東京の小劇場でシェイクスピアやマリヴォーといった古典を中心に舞台に出演、またNHK海外ドラマや、洋画等、ゲームでの声優を行っていました。

俳優時代の経験を活かし、演劇の訓練メソッドを利用した「コミュニケーションスキル」向上を目指したセミナー・研修も実施しています。

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