「劇団ムーンライト」第35回公演「うちのだりあの咲いた日に」観劇日記
2009年06月29日
先週末に久しぶりに舞台を見にいってきました。
今回は「劇団ムーンライト」さんの第35回公演「うちのだりあの咲いた日に」でした。
「劇団ムーンライト」は主宰を声優でもある野沢雅子さんがされている劇団で、年2回の本公演と年1回のスタジオ公演で合計3回の公演を一年でされているかなり精力的な劇団さんの一つだと思います。
名村が上京してきて最初にいた所の先輩方も多数所属されている事もあり、本公演は毎回お伺いをさせていただいています。
今回の話は劇団ムーンライトさんのサイトより引用させていただくと、
おはなし
吹き抜ける風に乗って、海の音がかすかに聞こえる一軒家、寺内家
手入れの行き届いた庭のあるこの家で、
普段は別々の場所に住んでいる家族が七回忌で久しぶりに集まった
姉は新しい家族をつれて、妹は恋人をつれて…
「今日っておじいちゃんの七回忌じゃないの?」
「ダリアちゃんの七回忌ですけど」
「ダリアって誰だよ…?」
家族、恋人、姉弟、
言えなかった心のモヤモヤがちょっぴり飛び出し絡み合い
最後はきっと心の奥がぎゅっとなる
一匹の犬を中心にした家族の物語
この作品は随分前から存じていて、確か台本の作の吉田小夏さんが、今から6年ぐらい前の2004年ごろに、当時25歳くらいでお書きになった処女作だったと思います。
当時台本を読む機会があって、「えー、劇作家さん、メチャクチャ若いのに、こんな(良い)話が書けるの?!」と殆ど同年代だった自分を悲しく思ったという苦い思い出があります(笑)
それはさておき、こういった人の機微を捕らえる作品が多く、また上手なのも劇団ムーンライトさんの演目の特徴だと思います。
最近の起伏が激しく分かりやすいテレビのバラエティー演出や、ハリウッドの大味演出になれている方には、恐らく物足りないというか、下手をするとあまりに日常過ぎて何がどうなのか分かりにくいかもしれないのですが、そこには確かに日常の自分の等身大の葛藤の一部が折り混ざっているものが見え隠れしました。
人間ってのは、どんなに日常の繰り返しのように見えても、その人その人に大なり小なりの葛藤や問題を抱えていて、それを表に出せることもあれば、やっとの思いで絞りだして伝える事もあり、一方でそこに自分が居られるだけで幸せと思える場所をそれぞれの人はやっぱり思っていて、その流れの中で生きているんだなぁ・・・という事を実感させて貰えました。
今回、先輩でもあり以前から大変お世話になっている大津裕子さんが出ていらしたのですが、鳥肌立つぐらい上手で、個人的にはそこも面白く観させていただきました。
次回は恐らく秋頃だと思いますが、次回公演もまた楽しみです!