CIRQUE DU SOLEIL(シルク・ドゥ・ソレイユ)「ドラリオン」に見る、生の与えるインパクト
2007年02月19日
先週と先々週の日曜に、シルク・ドゥ・ソレイユ(Cirque du Soleil)の日本最新作「ドラリオン」を見てきました(二度も!)
名村は元々が演劇の世界に居たからというのもあるのですが、今でも映画を見るより舞台系(演劇もミュージカルもコンサートも)の方が遥かに見に行く事が多いですし、実際に見に行っていると思います。
そんな中で今回の演目で何度か失敗をしたのを見かけました。
一度はダブル・トラピスで受け損なったんですが、その後がすごかった。
失敗をしたペア・・・ペアといっても一人は青年で、上から飛び降りるのは10歳前後?と思わしき少女です。
そのペアが、失敗の直後、自身の次の演目に行くでもなく、もう一度チャレンジをするんです。
シルク・ドゥ・ソレイユ(Cirque du Soleil)の「本番」といえば文字通り血のにじむような訓練の上に成り立っているんだと思います。
その中で失敗・・・普通に考えれば「心が折れ」ても仕方ないかと思えます。(役者時代にあれやったら、名村は心が折れていたと思います(笑))
でもきっと彼ら彼女らはその「失敗」すらも日常として受け入れていて、「プロ」ゆえの「今できる最大のパフォーマンス」を出そうとしているんだと感じました。
その「プロ」としての意識の高さにはフィールドは違うものの、元演劇人、今もやっぱりメディアに関わっている人間として、やはり見習うものがあると思いました。
と思っていたら、徳力さんが、ゲネを観にいってらしたみたいで、感想がありました。
その中で、W・チャン・キム氏の「ブルー・オーシャン戦略 」に記載のシルク・ドゥ・ソレイユ(Cirque du Soleil)の事についての記載を転載されていました。
「シルクは一般のサーカスとも、伝統的なパフォーマンスとも趣が違い、ライバルの動静にはまったく関心を払わなかった。従来は、課題によりよいソリューションを見出して、つまり、より楽しい、より心躍るサーカスを提供して、ライバルの上を行こうという考え方が主流だったが、シルクはサーカスの楽しさと興奮はもとより、パフォーマンスとしての知的洗練度、豊かな芸術性をも追求して、課題そのものをまったく新しく設定した。こうしてパフォーマンスやサーカスの垣根を打ち破り、サーカス愛好家だけでなく、サーカスには関心のなかった大人の観客についても理解を深めたのである。」
そして、ご覧になった感想でかかれていましたが、
ああ、やっぱりサーカスなんだと勘違いしてしまったわけです。
ただ、ドラリオンのステージを目の当たりにして自分がいかに間違っていたか、よく分かりました。
いや、これは確かにただのサーカスではありません。
名村も最初にキダムを観に行ったときには同じような事を思っていました(笑)
それは見始めてすぐに打ち破られ、一年半ほど前の「アレグリア2」では、その世界観と完成度の高いパフォーマンスに魅了され、今回の「ドラリオン」は前売りが発売されるや否や買っておき、もう一回は招待をいただいたという次第です。
Webの世界でもデザイン側に近い方で映画をよくご覧になる方はいるかと思います。
ただ、個々人の趣味はあるとは思いますが、名村は出来れば「生」に触れていただきたいなと思っています。
それは演劇だけでなく、絵画や彫刻などもしかりで、そういった「生」が持っている迫力というのは絶対に「生」でしか分からないところがあると思っています。
そういったモノを観た時に「すげぇ」でもいいですし、「あの表現をWebで見せるとしたら」なんて凄い思いつきに結び付けていただいていも凄いんですが、そういった「何か感じるもの」を感じるアンテナを(比較的見やすい)「映画」とかだけではなくて、「時間」も「お金」もかかるけど、「生」なものからも感じ取ってもらいたいなと思いました。