あるカレー屋さんのリアルビジネスコンサルティングとユーザーの心を掴む手法の考え方
2007年09月22日
久しぶりにまともなネタで(笑)
いまだに細々ですが、ビジネスコンサルティングのお話をいただきます。
まぁ、ネイムヴィレッジのサイトはそんな事だけを書いているので(笑)、そこをご覧になってくるのかもしれません。
という事で、以前にあるカレー屋さんの営業コンサルティングとWebサイトの構築のお仕事を受けました。
そのお店はフランチャイズなのですが、別の店舗とメニューも食材も、いわゆるセントラルキッチンから届くもので、そこに(いちおう)差はありません。
また交通の便としても結構人通りが多いですし、実際人が入っていない、といわれるとそこまで入っていない訳ではありません。
でもこのお店が問題にしていたのは「リピーターがA店(同じチェーン店の近隣の店)に比べると少ない・・・・」
まぁ、懸命なこのサイトをご覧の方はどうしたらいいか、すぐに分かるかとは思いますが、さっそくそのA店に名村は行ってきました。
そして、まぁ、食べたわけです、バクバクとカレーを(笑)
美味かった・・・・・・(笑)
いや、そうではなくて、まぁカレーを食べに行きつつもお店の中を見ながら何が違うのかを見てきました。
その後依頼主の店でしばらく客っぽく滞在させていただき対応やいろんな部分を見てきました。
そうやって比べて、「何が違うのか?」って見ていると、いくつかはっきりとした差はあるわけです。
その差はやっぱり「サービス」をしているか、どうか?という言葉に集約されるものでした。
「サービス」と言ってしまうとかなり話が大きく難しいのかもしれませんが、要は「カレー屋さんに来ているお客さんは何を求めているか?」って事を突き詰めて考えているか?という事です。
その中でいくつか見つけた具体的な事で言えば、
- オーダーを受けてからモノを出すまでの平均時間
- オーダーをお客さんに出すときの姿勢というか物腰
- 待ってもらう時の一言の声のトーン
- 最初に水を出すタイミングによってかける言葉の違い
- カレーを作っている時の姿
- カレーに乗せるカツを切るときの姿(笑)
- 実際にかなり忙しく作業をしている最中の店長がバイトの子にかけている言葉の物腰
こういったものが、「圧倒的に違う」・・・・なんて訳ではありません。
「なんとなく」全部が違うんです。
店舗コンサルティングの経験上、この「なんとなく」っていうのがそもそも「ブランド」を持っている企業や店舗と違って、どこの街にでもありそうな店では「物凄い」差として現れて来ます。
ユーザーは「ここが微妙に悪い」「あそこがこうしてないから悪い」というように「具体的」に悪い部分を理解している訳ではありません。
「なんとなく居心地が悪い」という事の積み重ねが「この店は居心地が悪い」につながってくるわけです。
逆にこの「居心地の良さ」は言葉で伝える部分ももちろんありますが、言葉では分からない部分も多分にあります。
そこで、ご存知の方もいると思いますが、名村は元々料理も好きで飲食業も好きなので、依頼を受けた店舗で一週間働かせてもらってきました。(どの業種でも一緒に働かせてもらうわけではありませんけどね(^-^;)
まぁ、フランチャイズだからこそある程度のマニュアルがあるので出来たことですが。
そこで一つ一つの動作、姿、態度を全て「見られている」という意識の元でやって見せてそのお店の方に体験をしてもらいました。(オープンカウンターのお店だったので)
その結果、お店の方の一つ一つの動作に「キレ」が出てきました。
「キレ」が出てくると「華」が出てきます。
動きに「華」があると、見ていて気持ちいい状態になり、店舗に漂う「なんとなくどよどよ」感が薄くなってきました。
そしてその段階にくると、今度はお店のスタッフの方がこれまで気がつかなかった部分を見る余裕が出てきます。
別の言い方をすれば「今まで気がつく事がなかった部分に気がつく視点」が出てきます。
実際に変わった点として例を挙げると、
- ちょっとしたカウンターの汚れ
- 店舗のお客さん側(要するに椅子の方)の空調の温度
- 入り口付近の清掃
- 店の周りのちょっとした掃除
そういった事がどんどん目に付いてくるようになっていきました。(もっと細かいレベルではいくらでもあるのですが)
するとお店はその周りも含めドンドン綺麗になっていきました。
ちなみに言っておきますが別にコンサルティングのオーダーを受けた時にお店が汚かった訳ではありませんよ。
でも、明らかに「綺麗」になっていきました。
そして以前の「なんとなく足りない」感が随分と薄れてきました。
そうなれば黙っていても売り上げは上がってきますし、実際リピーターの方を増やすことが出来ました。
その一環でサイト構築をさせていただいたのですが、サイトの方にも出来るだけそういった部分を反映させていただきました。
それでも一番大きかったのは店の方がリピーターが多い店舗は「なぜリピーターが多かったのか?」を肌身で理解してくれたことでした。
ただ、元々だったのは、「その会社様のユーザーに提供している・提供出来るサービスは何か?」をもう一度考える事と、それを実際に業務に携わっている人が実感を出来るか?という事が一番の肝でした。
これは今までも恐らくこれからも名村の基本にはなってくると思いますし、多分中長規模の企業だからこそ再生をさせる手段だとは思っています。
あとはそんな時に昔から参考にしているこの本で、とりあえず第一歩のチラシを名村の方で作ってみて、実際に駅前でバラまいてみたりしてみてもいます。
その後、何が受けたのか受けなかったのかのトライアンドエラーをしてみて、してもらってという部分をお店の人と一緒にやって行ければ、その後も比較的安心出来る状態にはなってきます。
このレベルの話を大規模な企業の方の、サイトブランディング、企業ブランディングとして受けてくださる担当者さん、いるとは思うのですが、実際にさらに突っ込んで一緒にパートナーとして迎えてくださる所を募集中です(笑)