都内某社で2時間✕8コマの「Webディレクター養成講座」をさせていただきました。
2013年12月15日
年に何回か、日本のあちこちで実施させていただいている「Webディレクター養成講座」ですが、一般的な公募形式のセミナーなどではなく、特定の制作会社様の「社内研修」という形でさせていただくこともあったりします。
都内の制作会社様で、2年目の開催
今回のこのエントリーの元となるのは、都内のある制作会社様の社内研修でした。
こちらの制作会社様は、実は2012年にもご依頼をいただき、やっぱり「Webディレクター養成講座」の講師を努めさせていただきました。
こちらの会社様は、社員教育にかなりしっかりしたカリキュラムを2012年に考えられ、僕が担当をさせていただいた「Webディレクター養成講座」だけではなく、「マークアップ講座」「デザイン講座」「マーケティング講座」とかも同期間に実施されていらっしゃったんです。
その中で、他の講座は1人の講師の方が2時間✕2コマ、とか3コマ、という感じで、期間中に「マークアップ講座」で講師の方は3名とか関わっていらっしゃっていて、とてもしっかりした内容でした。
正直その講師の方々、かなりスゴイメンバーの方々で、時間が許していたら、僕もこっそり受講をさせていただきたい方々ばかりでした。
ただ、僕の「Webディレクションに関する内容」ってやっぱり2回とか3回という回数や時間ではお伝えすることが出来ず、ご依頼をいただいた社長さんにその旨のお話をさせていただき、結果的に2012年は、隔週開催、2時間✕11コマで実施をさせていただくことになりました。
その結果、その会社さんでは2013年の今年もWebディレクター養成のための社内研修を行うことになり、名村の方にその事情をお伝えいただき、
- 今年も社内研修を幾つか実施します。
- Webディレクター養成講座も実施する。
- Webディレクター養成講座の講師は名村さんにお願い出来ないか?
という大変ありがたいご依頼をいただき、実施をさせていただくこととなりました。
2013年は2時間✕8コマでの開催
今年はその会社様では「2時間✕8コマ」でのWebディレクター養成研修となりました。
ということは合計で16時間になります。
名村が最近地方に行って実施させていただいている「Webディレクター養成研修」は8時間✕3日=24時間です。
また元々名村が行っている「Webディレクター養成講座」は実は8時間✕5日=40時間のカリキュラムだったりします。
となると、この「16時間」でどのように何をお伝えするのか?ということは実はすごく悩んでいました。
Webディレクターの仕事というのは、少なくとも名村は「かなり多岐に渡る能力がいる」と思っています。
- そもそも「Web」というものがどういうものなのかを知る
- 問題解決のためのスキル
- コミュニケーションスキル
- ドキュメンテーションスキル
- プロジェクトメイキングスキル
- プロジェクトマネジメントスキル
- アートディレクションスキル
- エンジニアリングスキル
- プレゼンテーションスキル
- プランニングスキル
と、まだまだありそうですが、ざっとこれぐらいあります。
ちなみに名村のWebディレクター養成講座のフルフル版=40時間のものではこれを全部お伝えしています。
そんな中で今回名村が特に注力させていただいたことがありました。
Webディレクターとのしての「仕事の意義」をお伝えする
今回、特に注力させていただいたのは、「Webディレクターとしての仕事の意義」というものをお伝えすることでした。
報われにくいWebディレクターの仕事
Webディレクターの仕事って、上手くいったら「当たり前」と思われ、失敗したら「Webディレクターのディレクションが悪かった」と言われる訳です(笑)
もし「ディレクションの良し悪しに対して褒められる」ということをモチベーションにしているのだとしたら、Webディレクターって仕事は辛くなって、続かなくなると思います。
でも、名村が17年この「Webディレクター」という仕事にこだわってきたのは、やっぱり別のモチベーションになり得る要素があるからです。
その要素を、それはもしかしたら名村にとってだけなのかもしれないけど、その会社の皆さんにお伝えできれば・・・と思って今回の8コマをさせていただきました。
最もお客さんのことを考えられるのが「Webディレクター」という職域
一方で僕は「お客さんのことを最も深く色々考えられる」のがWebディレクターであると考えています。
それは今のお客様もそうだし、これまでのお客様にもそうさせていただいています。
これは一重に「そういったお客様にお会いできているという点において運がいい」んだと思います。
でも、それは結果論で、恐らく「お客様のことを毎日毎日考えて考えて考えぬいて」いった結果そういった案件を頂戴出来ているのではないかな?と思っています。
こと「Webサイト」という媒体において、そこまでのことをさせていただけるのって、やっぱり何よりの醍醐味であり、その結果が「売上が上がった」「登録ユーザ数が増えた」とかってのは、そのディレクターの成果なはずです。
もちろん一人で成し得たのではないでしょう。
またデザイナーさんが作ってくれたデザインが良かったのが一番の要因かもしれません。
マークアップエンジニアのHTMLが良かったらGoogleに認めてもらえた結果なのかもしれません。
エンジニアが作ったシステムが使いやすかったからなのかもしれません。
でも、最初の起点であり、終わらせたのはやっぱりWebディレクターな訳です。
その「無形の結果」に対して喜びを見いだせる人ってのがWebディレクターに向いていて、そこに仕事の喜びを見いだせないと、多分辛くなる職域なのではないかな?と思います。
「Webディレクターを誇りのある仕事にしてください」という一言
僕の中で結構Webディレクターをやっていく上で、いくつかある根源的なモチベーションとなる要素の中で、この
Webディレクターを誇りのある仕事にしてください。
という言葉がかなり強い位置を占めています。
これは2007年のWebsig24/7のイベントの二次会で森田雄君と書籍のサインの交換会的なものをした時に雄君が書いてくれたセリフです。
この「自分の仕事を、誇れる状態」にする、というのは最早「スキルセット」の話ではなくて、自分自身の仕事への関わり、影響、それが成し得られるものに対しての「マインドセット」の話になってくると思うんです。
仕事をしていく上で実は一番大切な「マインドセット」
Webディレクターというのは、その職域自体は本質的には何も具体的なものを直接生み出しません。
あくまで案件、プロジェクト、仕事をどのように回していくか?という事が問われる訳です。
もちろんその過程における「ドキュメント」はあるでしょうが、それ自体はプロジェクトが完成された時に、エンドユーザに見えるものでは無いわけです。
となると、誰にでも見えるものを作っている訳ではないため、自分の仕事をどのように捉えるのか?というのが何よりも大事になってくるはずです。
どうも最近「Webディレクターとはかくあるべき」という時に、スキルセットを重要視しすぎている嫌いがあるのではないか?と思っています。
もちろんスキルは大事です。
「○○なやり方をやれば・・・」ということも必要でしょう。
プロとしてのスキルセットがないのはそれ自体がダメだから。
でも、それ以上に、それ以前に「プロのWebディレクターとして何を考え、何をなし得る仕事なのか?」ということを伝えていかねば、今後、Webディレクターという仕事はますます不遇の地位になることが多く、「The 雑用係」と揶揄されるのでは?と感じています。
スキルも大事だけど、8回に渡って「モチベーションワーク」をお伝えした今年
今回の某社での「Webディレクター養成講座」では、もちろん名村の持っている40時間のカリキュラムから構築したものをお伝えしているので、ある程度仕事の進め方、失敗事例、成功事例、実際のプレゼンテーション、コミュニケーション・スキルの向上手法、企画力向上の手法をお伝えしています。
でもそれ以上に「WebディレクターがWebディレクターであるゆえん」についてお伝えさせていただいたと思っていて、それをその会社の方々が受け取ってくれているならば、僕が毎回汗だくになって(笑)お伝えした意味があったかなぁ、と思っています。
もしそういったことをお聞きになりたい方がいらっしゃればFacebookでもTwitterでもこのブログのコメントででもどこでもいいので、ぜひご連絡ください。