神戸ITフェスティバル2013で登壇させていただきました。
2013年12月14日
2013年12月13日(金)〜14日(土)で神戸の「デザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)」にて開催された(これを書いている時点では「開始されている」)「神戸ITフェスティバル2013」に行ってきました。
名村が実際にお伺いしたのは13日(金)で、当日のセミナーイベントに講師として登壇させていただきました。
地味なセミナータイトルには一応意味があるのです・・・。
名村のセミナーってのは、昔からセミナータイトル的には全然キャッチーな感じになりません(笑)
今回のセミナータイトルに至っては、
ディレクターとして意識スべき「誰がどうみてもそうとしか受け取れない文書」術
です。
見るからに地味なタイトルです…。
我ながらネタもタイトルも「地味」の一言なのですが、ディレクターの仕事ってのは地味な事の積み重ねだと思っているので、真面目に真剣にディレクターをなさっている方々に少しでも役に立つことを…と考えると、どうしてもこういった地味な内容の方が、本質的にはお役に立つのでは?と思ってこういう話にさせていただいています。
セミナー内容、我ながら思った以上によくまとまりました。
今回のこの「ディレクターとしての文書術」という内容ですが、先日の神戸ITフェスティバル2013への登壇告知のエントリーでも書いたのですが、
ここしばらく、特に2013年においては、名村にとって各地でさせていただいている「Webディレクター養成」に関して、一番熱いテーマだったりします。
ということで、このテーマにさせていただきました。
ただ中身をどのような内容にするのか?というのはかなりギリギリまで迷っていたり、ストーリーテリングをどうするか?で悩んでいたりもしました。
ある程度骨子が出来てからも当日ギリギリまで推敲と校正をしていたのですが、結果としては1時間という枠の中でかなりお伝えしたい内容をうまくまとめられたと思っています。
普段のディレクター養成講座はもちろん毎回いろいろ考えながらなのですが、新しいネタというのはそれ以上に不安もあったのですが、実際にやってみてこんなにハマるというのも少なく、結構自画自賛していたりします。
セミナーのアジェンダ
セミナーの内容は、今回有料セミナーだったので、スライドの一般公開は出来ないのですが、こんなアジェンダでお話をさせていただきました。
- ディレクターの仕事は「ジャッジ(判断・決定)」をすること
- ディレクターが決定をしたことを周りに「誰がどうみてもそうとしか受け取れない文書」として伝えていかねばならない
- ある案件で「名村」が書いた指示書を例にした残念なやりとり
- ある案件で「依頼者」が書いた質問文を例にした残念なやりとり
- ダメな文章の具体的な理由
- 残念なやりとり例を書きなおしてみたらどうなる?
- ダメな文書を書いているとディレクターとしてどうなる?
- 文書を書くためのツールについて
- wiki記法、マークダウン記法について
- ドキュメント記述の手順について
- ドキュメント記述での言葉使い、単語使いについて
- ドキュメントが冗長になりがちな文例と改善例
- 見出しとリスト表示を極める
- 「一文字も間違えていない正しい名称」の重要性
といった内容でした。
終わってから、参加頂いた方の生の感想が嬉しかったです
終わってからこの手のセミナーではよくある「講師と名刺交換」ということで、名刺交換に来ていただいた方が何名かいらっしゃいました。(ありがとうございます!)
内容が地味なだけあったので、実はセミナー中も結構不安があったんですが、終わってから、
自分も会話でもドキュメントでも「良くわからない」とか言われるのですが、それが「○○がなかったから」というのがよく分かりました。
とほとんど方がおっしゃっていました。(「○○」の部分がセミナーの主題なので、一応伏せておきます)
ドキュメントにする時、その「○○」ってついつい「面倒」「そこまで詳しく書かなくても」というような気持ちで省いてしまいがちなのですが、そこに対してほんの少し、作業としては1秒か2秒程度手間を加える事で、
誰がどうみてもそうとしか受け取れない文書
になりえますし、そうやって書いた文書ってのは、のちのち、それこそ一年後に見返しても、全くそのプロジェクトに参加していなかった人が急にジョインしたとしても見て分かる文書になりえるんです。
それが普段の会話にも使えます、と言って頂けたのはほんとに嬉しかったです。
実は以外と「補足説明」という名の元に浪費されている時間
僕が「誰がどうみてもそうとしか受け取れない文書」ということを言うと、昨日ではないのですが、以前にこういうことを仰った方がいました。
自分の説明が足りなかったとしても、そこをデザイナーやエンジニアがディレクターに説明を求めてくることで生まれるコミュニケーションって大事だと思うんですよ。
これは、その方は「コミュニケーション」を勘違いしていると思いました。
その「コミュニケーション」は「不要」のコミュニケーションです。
もっと言えば自分の「ドキュメンテーション」力の不足を良いように解釈しているだけです。
結果として、大事なプロジェクトの時間を膨大に浪費しているのです。
ディレクターが1秒2秒、もしくはあと30秒手間をかけていれば、その「不要なコミュニケーションの5分、10分」が生まれなかったのです。
ディレクターが取るべきコミュニケーションは「ものをより良くするためだけ」に使われるべきと考えています。
自分の説明不足の結果、デザイナーやエンジニアから「これってどういう意味ですか?」となるコミュニケーションは無駄以外の何者でもありません。
どうせならば、
名村の指示書ではこうなっていて、意味は全部分かった。でもこういう作り方の方が早くて簡単でお客さんも使い勝手がいいんだけど、それではだめですか?
というようなやりとりであるべきでしょう。
なので、昨日はそのようなやりとりを生むために「指示書として絶対必要で、必ず最初に書くべき要素」についてもお伝えさせていただきました。
その意味では個人的にもお伝えさせていただいた内容は、スライドも含めて「地味は地味」なんですけど、日々の業務がかなり改善される内容だったのでは?と自負しています。
結構真剣にあちこちで広めていきたい内容
普段の「ディレクター養成講座」ってのは大体24時間〜40時間(8時間✕3日〜5日間)ぐらいのカリキュラムです。
でも今回の「誰が見てもそうとしか受け取れない文書術」のセミナーは、実際のワークをいれても1.5時間ぐらいあれば十分だと思います。
その割に恐らく日々の仕事にはかなり使っていただけるのではないかと思っています。
その意味ではこのセミナーの内容は広めていきたいと思ってたりして、もしお話をさせていただけるところが有りましたら、ぜひぜひご連絡ください。
どこでも話をさせていただきたいと思っています!
最後に
神戸ITフェスティバル2013にお声がけ頂きました株式会社ふわっとの岡田さん、この機をいただきまして、本当にありがとうございました!