セミナー

Backlog World 2021「PJメンバーで共有する『プロジェクト憲章』ことはじめ」

2021年3月13日、全国のBacklogユーザ会が集まって開始される「Backlog World 2021」に登壇させていただきました。


公募セッションに申し込みをさせていただき採用をいただけました。 今回の登壇テーマとしたのが「PJメンバーで共有する「プロジェクト憲章」ことはじめ」というものでした。

これは名村がここ2年ぐらい「プロジェクトの情報共有」がどんどん進んでいるある案件があり、自分の中でも「プロジェクトのあるべきをまとめる」ということの重要性を改めて実感していました。

その案件では、今やクライアント側も、

  • チケットやwikiの記述に認識齟齬が起こりにくい書き方
  • wikiをどのように使っていくと便利なのか?
  • ちゃんと情報共有をする方法を考えないと回り回って負荷が高くなる

ということを理解していて、ともすると私以上に積極的に使いこなしています。

方法論は突き詰めると「PMBOK」に行き着く

プロジェクトの進め方をいろいろな経験則から日々みなさんブラッシュアップをしていると思うんです。しかしこの2年で分かったのは、「結局PMBOKに行き着く」ということでした。逆にいえば「王道」をちゃんと学ばない中で「我流」ではじめ、我流をブラッシュアップすることで王道にたどり着く・・・という感じです。

しかしWeb制作の現場では「PMBOK」はやっぱり言葉の響き、「学問」的な印象などから、

聞いたことがあるし、知ってるけど、なんか難しそう

という方が多いのではないでしょうか? 名村が「PMBOK」を初めて知ったのは2004年ぐらいでしたが、当時は正直「意味が分からない」「こんな難しいことやらなくてもサイトは作れるでしょ?」と思っていました。

ただ諸事情で一通り勉強だけはせざるを得なくやったのですが、やっぱり当時は身になりませんでした。 しかし「システム開発案件」が多くなり、9ヶ月〜1年半といった長期間のプロジェクトを経験していくに、気がつけば「 手段のために目的を忘れる 」ということが頻発しました。

これはそもそもの「拠り所」がなかったために「納期」という絶対的なゴールのために、「ただ最後は間に合わせるため」という思考になっていた結果でした。

そんな経験を経て、冒頭の案件でクライアントと突き詰め、たどり着いた結果が今日の発表の「プロジェクト憲章」でした。

Webディレクターの仕事とは?

今回のセミナーではWebディレクターの多岐にわたる仕事の中から下記を取り上げてフィーチャーしました。

  • クリエイティブメンバーの能力を最大限に引き上げる
  • そのために情報をどのように共有するのか?

プロジェクト管理ツールではいわゆる「チケット」ワークの方が注目されます。 もちろんそれは進行管理においては重要で、そのチケットワークによって進行速度は圧倒的に変わります。

しかし、その手前、また途中途中でアップデートされる情報をどのように共有するのか?の重要性がないがしろにされがちです。

しかし「チケット管理システム」の多くになぜ「wiki」の機能があるのか?と考えてみてください。 「チケットに書いてはいけない情報」を書くためです。

ここでいう「チケットに書いてはいけない情報」とは、埋もれてしまっては困る情報、何度もでも見返す必要がある情報です。

これをどの様にまとめるか?によってプロジェクトにおける「○○ってどこに書いているんだっけ?」という「どこかに書いているのをただ探すだけの作業」をなくすことができます。

ただwikiに書いておけばいいのか?

これが次の問題です。 情報とは「共有」され、第三者が「探し出す」ことができてこそ意味がでます。

インターネットのサイトが検索エンジンで検索されないサイトは「存在しない」のとほぼ同義なように、「wikiに書いているけど、探し出せない」のは「書いてない」のと同じです。

とすれば、「どの様に書くのか?」、もっといえば、プロジェクトメンバーが「あそこをみればきっとあるはず、ほらあった!」とすることこそが最も肝要です。

Webディレクターは「自分にとって見やすい」だけの視点でwikiを書いてはいけないのです。 言ってしまえば「wiki内でのSEO」ともいえるように

  • 「第三者がどういった言葉でwiki内検索を使って探すか?」
  • 「目次ページには何を書くべきか?」
  • 「階層構造はどの様に作るのか?」

といった視点が必ず必要です。

サイト構造の設計をするのとほぼ同じだけの力を注いで、「プロジェクトの情報」の構造設計をしなければならないのです。

wikiを適当に書くことでの悲劇

結局情報は「知りたい人」に届きません。しかしその時Webディレクターは言うのです。

「ちゃんと書いているんだから探して見ろよ」

と・・・ これは「検索エンジンに引っかからないサイトを見つけだせ」といっているのと同じで、URL直打ち以外で閲覧ができないサイトを見つけるのは「不可能」です。

そして結果としてクリエイティブのメンバーは手足をもがれ、Webディレクターの「指示している」ものまでしか作れないのです。こんな悲劇があるでしょうか?

Webディレクターはクリエイティブのメンバーの力を引き出し、彼ら専門家の力を借りてサイトを作り上げる職域にもかかわらず、独善的な考えの元、クリエイティブのメンバーの力を削いでいたのです。

Backlog World 2021でお伝えしたかったこと

「情報共有」はたしかに面倒です。
なぜ「面倒」と思うのか?

簡単です、「今までやって来てなかったから」です。「やらなくても良かったこと」を「しなければならない」から「面倒」なんです。

でもそれは逆です。
「やらなければならないことをしてこなかった」んです。Webディレクターが担うべき業務をクリエイティブのメンバーの「見えない稼働」によって補完してもらっていたのです。

名村もドキュメントの整理をするようになり、確かに作業量は増えました。
ですが、それ以上に「あれってどこでしたっけ?」「これってなんでしたっけ?」と聞かれることは圧倒的になくなりました。

周りから情報を聞かれると「仕事をしている気になる」魔力があります。しかしそれは1mmもクリエイティブなことはしていません。ただの「事務連絡」です。そしてお客様は「事務連絡」にお金を払ってくれている訳ではありません。

不要な「作業」を減らし「創造」に時間を費やすためにWebディレクターが担うべきものはなにか?を今一度考え直す時期に来ていると思っています。

皆さんにとって何かの一助になればとても嬉しいです。

当日のスライド

Backlog World 2021でのスライドを下記にアップしました。 20分の中でかなり詰め込んでしまったかも?と思っていますが、見逃した方はぜひ下記からご覧いただければと思います。

当日の配信動画のアーカイブ

当日の動画ですが、こちらにアップされています。 名村の登壇部分から再生されるようにしていますが、お時間あれば全編ぜひともご覧ください!

当日のツイートではたくさんコメントをありがとうございます。

当日ですが沢山のTweetで感想もいただきました。 終わってから全部拝見させていただきました。

何かしらのきっかけにはなったかな?とホッとしています。 名村が登壇中のTweetはこちらのリンクでご覧いただけます。

またこんな素敵なグラレコも書いていただけました!

あづみさん、ありがとうございます!

もし今回のこちらの件でなにか疑問質問ありましたら、ぜひポッドキャスト「Webディレクションやってますラジオ」までご連絡ください。

  • 名村のTwitter「@yakumo」へのDM
  • ハッシュタグ「#web_direction」を付けた投稿

をしていただければポッドキャストで取り上げさせていただきます!

今回は登壇の機会をいただきました「Backlog World 2021」のみなさま、本当にありがとうございました。


名村晋治のプロフィール

Webディレクター 名村晋治

株式会社サービシンク

代表取締役 / テクニカルディレクター

名村晋治

1996年よりWeb制作に携わり、キャリア28年目のWebディレクター

2010年に不動産業界特化のWeb制作会社「サービシンク」を設立して、今も現場でディレクターとしてPMをしています。

詳しいプロフィール

大学在学中の1996年「Web制作集団ネイムヴィレッジ」を設立し100社を超えるサイト制作の企画、ディレクション、デザイン、マークアップ、システム開発に携わる。

2000年不動産検索サイトHOME'Sを運営している株式会社LIFULL(旧:ネクスト)に合流。
2005年からは都内のWeb制作会社に合流し取締役を歴任。同社ではフロント実装からディレクションまでを担当。

2010年東京のWeb制作会社・ホームページ制作会社、株式会社サービシンクを立ち上げる。 不動産業界に特化したサイト制作の、アートディレクション~HTML実装設計~システム設計のすべてに携わるジェネラリスト。基軸としてはクライアントの商売に寄り添う為に、徹底的に思考を巡らせる為のディレクションを行う。

Webブランディングの入門教科書」、「変革期のウェブ」を「マイナビ出版」から出版。

2000年から「Webディレクター育成講座」を独自開催し、40時間のカリキュラムを通し「仕事を回す事ができる」Webディレクター育成手法には定評があり。
首都圏のみならず地方でも講座実施、参加者は延べ700人を超える。 もう一つのキャリアとしてプロとして舞台俳優、声優。 1996年から養成所に通い始め2004年に廃業するまでの間はWebディレクターと二足のわらじでの活動。

俳優としては、東京の小劇場でシェイクスピアやマリヴォーといった古典を中心に舞台に出演、また声優としては大きく活躍できる程ではありませんでしたが、NHK海外ドラマや、洋画等、ゲームでの声優を行っていました。

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