企業サイト Webアクセシビリティ向上セミナー2006
2006年08月23日
月一回の三回シリーズで開催されていた「企業サイト Webアクセシビリティ向上セミナー2006」に参加してきました。
三回ともなんとか出席していていたのですが、アップする暇がなかったのと、アジェンダがしっかりしていたので、メモをあまり取る必要が無かったって事もあったり。
昨日はビジネスブログブック(1、2、3)の著者でも有名なフィードパス株式会社(Feedpath, Inc.)の小川浩さんと主催の株式会社インフォアクシアの植木さん。
小川さんのセッションでは「 企業サイト担当者のための“Web2.0”」について。
Web2.0は食傷気味で、とりあえず言葉が出ると「なんだかなぁ」的な思考になってきつつあるのですが、その意味ではどういうお話が聞けるか楽しみでした。
とりあえずそちらはトークが中心(アジェンダはホントにアジェンダ的だったので)メモを備忘録に。
ユニバーサルアクセシビリティセミナー
Web2.0って何?
使いやすくなったWeb
=Webが進化したと感じたと思う事に対して、オライリーがWeb2.0と呼び出した
Web2.0カンファレンス=2004年10月から開催されている
この言葉が残った理由は、「Webの進化」を表す事だけはが出来る用語だったから
Webの質的変化と量的変化
質的変化はXMLの濃度の向上
HTMLとは人間が見て分かる言語→XMLはコンピュータに分かりやすい言語→XMLの増加によりWebの構造化が進む
量的変化はユーザー数×データ量
Webのデータ量は02年から急激に増加している
Web2.0は進化そのもの
それゆえSaaS,Folksonomy,social Taggingなどの可能性が生まれて来たが、旧来のWeb屋はずっと気づいていた事
それが一般の人にも気づけるようになった
Search
無数の小さなニーズを拾い集め、ロングテール現象を引き起こした
代表例はGoogle(Google notebook)のサービスは全て検索ベース
検索を起点としたサービスを提供している
これまでのレップと異なり、彼らはシステムとキーワードを押さえた。
では最強のブランドを作ったGoogle検索は万能か?
そうではない。
しかし、この検索エンジンの進化によって、AISAS(アテンション→インタレスト→サーチ→アクション→シェア)というユーザー行動が生まれた(≠AIDMA)
「アテンション→インタレスト」のフェーズはクエリと呼ばれ、「告知情報」は検索エンジンの前に必要になる。
これまではそれがマスメディアであったが、webではFeedという形で発展した
Feed
RSSやAtomは記事情報更新のツール
Blogと共に進化であり、情報のフォーマット化
最新のFeed情報
RSS 1.0,2.0
Atom 1.0
SSE 0.9?(MSが搭載しようとしている新しい企画)
日本ではRSS1.0が主流
PodcastはRSS2.0を利用した配信手段
AtomはGoogle、Sixapartが支援
Feesも情報のフォーマットであるのはWebと変わらない
しかしXML100%であり、閲覧にはRSSリーダーが必要となる
現在利用率は14%と言われる(05年は5%だった)
これによって情報の取得方法が変わってくる
Feedで更新情報だけの時代からコンテンツ配信が出来るようになると、Feed広告が生まれて来た
この先には、インターネットに繋がった様々な機器がFeedを受け取り連動連携してくる=Feed2.0?
FeedはWeb2.0の血液?
これにより、検索エンジンとFeedが互いの弱点を補っていく可能性が高い。
Feedはこちらから希望する情報を登録しておき、それに対して、Webサイト側からPing情報として届くので、これまでの検索エンジンとは逆の流れになる。
汎用情報はロングスパン、希少情報は出た瞬間だけのハイテンションスパン
この両方の流れがビジネスの流れを変える?
Saas
インターネット上とイントラネット内に大きな格差が発生
イントラネット内の情報アクセシビリティがインターネットに追いつかなくなってきている。
社内のネットワーク用にGoogleMiniのような検索エンジンが入り、社内情報をFeedとして発信し、社内用のRSSリーダーが必要になってくる。
この動きはもう始まっていて、いわばイントラネット2.0?で、インタネットをイントラネットが包括しようとしている
ソフトウェア アズ ア サービス
ASPとは何と違う?
社会全体がそっちを向いている
営利企業として最も大事なモノはお金。お金は民間企業である銀行に預けられる。
ならば、データやソフトウェアを(セキュアな)企業に預けるというのは自然なことでは?
個人ではあればもう始まっている=例:Googleカレンダーなど
Zimbra(アウトルックライクなUI、メール、全文検索エンジン、スケジューラー、アドレス管理)のツール→07年01月日本語版リリース予定
こういった社内ポータルのようなものをインターネットにシフトしてく?
自分用のメモなので誤字・脱字・内容の真偽に関しては責任を負いません。
<以下一応小川さんのコメントを受け加筆修正>
ただ、最後の方にある「お金は民間企業に預けられるのに、民間企業にデータはなぜ預けられないのか?」ってセールスフォースの社長さんが仰ったって言葉の引用をされていたのですが、そりゃまぁ、誰が考えても個人情報じゃなくても情報を預けないだろうと。
銀行で預けた金銭に流失・不正があった場合と、預けた情報が流失した場合、それぞれでユーザーに対して取れる責任の対価の提供方法が全く違うというのは、やっぱり大きいかと。
金銭は最終的に対価として支払えばいいけど、情報はその対価を支払い賄いきれるものではない可能性があるわけですし。
それがセンシティブな情報ではなかったにしてもWeb上に広まった場合、回収はまず不可能ですし。
銀行にしても絶対はないですけど、現実的な問題として(銀行が破綻・国による保障もなしという場合でもなければ)、情報を扱う会社がいう「セキュア」に比べれば遥かに安全感が強いと思われます。
そういった事をセールスフォースの社長がインターネットへのデータの集約の告知の方便として言うとは・・・・って事が逆にちょっと意外でした。
ただ、情報もやはり小川さんの仰っていたようにGoogleがそれを基準に錬金術をしている点を考えれば、これまでの貨幣を集約して、運用し利息を生み出すっていう銀行のモデルに近いのかもしれませんね。
問題は集められるか、集めるだけの信用をどう提供するか?って事かな?と。
情報の方が、人間の中でお金に対する不正より、ハードルが低く、ほとんどの個人情報が人間に起因している以上・・・なかなか難しいかな?と思ったりしています。
なので、僕は、オープンになったGmailも使い方を分けていたりしますしね。
とは言え、ところどころで「あぁ、(Web2.0って)そういうことか」と思える点はあるのですが、大枠としてはやっぱり「だからWeb2.0って『誰の何がどう便利になるの?』って疑問の回答にはなっていないなぁ」という感想。(それに答えるのが趣旨ではなかったのかもしれないけど)
植木さんも仰っていたけど「Ajax使ったからWeb2.0」ってのはちょっと極論で、そんな人も居るかもしれないし居ないかもしれないけど、Web2.0が「Webの進化を示す言葉として生き残った」といわれてもそれは学問であって、仕事的には「だから何?」な訳で。
Web2.0が具体的にどういうユーザーエクスペリエンスを提供する仕組みなのか?ってのが殆どの人が明確に説明出来ないのは、今も昔もあまり変わっていない感。
それが出来ない事にはお金を貰うクライアントには、そこにお金を投下してもらえるわけはなく、それが「こういう動きになることでユーザーは便利になりますよね」って事でしかないのなら、Web屋はずーーーーと昔からその話しかしてない訳ですし[謎無]
だから余計に、Web2.0って言われると、どうしても昔の「マルチメディア」ってワードの一世風靡っぷりと被って仕方が無い。
多分今年の就職活動をしていた人って「Web2.0的なサービスを云々」って面接で言って、面接官から「じゃぁ、Web2.0って何?」って聞かれると返答が出来ない、といった光景が想像できるというか[謎]
XMLがどうとか、CSSがどうとか、検索を軸にWebが動いているとか、なんてのはWebサイトがしなくてはならない事と、クライアントに対して理解してもらわないといけない事としては、瑣末も瑣末な話でしかないと思いますし、必ずしも最新の仕組みが、全てのクライアントにとって必要って訳でもないはずですし。
「Web2.0」ってキーワード自体はWeb屋は抑えておかないといけなんだろうし、個人的な趣味としてはAjax系の動きはとても好き。
ただ、世間でそのワードがもてはやされているからといって、企画書に何でもかんでも「Web2.0」って書けばクライアントが「おー、Web2.0ですか」と言って[謎]納得してもらえるのを期待しているのでは?と思えて仕方なかったり、そういう他社さんの企画書をみてゲンナリしたり[謎]
ってなっている風潮をちょっとみると、そんな事よりはそれをクライアントとユーザーのコミュニケーションの向上に繋がる形にしていく仕組みに早く落としていかないとなぁ、と思う訳です。
なので今度ここら辺の疑問を中野さん[誰]に一度思い切って突っ込んでお聞きしたいと、以前からずっと思っています。
ですので中野さん[誰]、来月末是非よろしくお願いします。[謎]