山陰PD研 L.H.C Vol.5 「プレゼンをHackせよ」「企画書をHackせよ」に登壇いたしました(Vol1)
2019年10月27日
2019年07月20日〜21日の2日間に渡って鳥取県の米子市で開催された、
L.H.C Vol.5 Day1「プレゼンをHackせよ」 L.H.C Vol.5 Day2「企画書をHackせよ」
に登壇させていただきました。
このエントリーではL.H.C Vol.5 Day1「プレゼンをHackせよ」の事を書かせていただきます。
山陰PD研(山陰プロデュース&ディレクション研究会)の活動
過去このブログでも登壇のことは書かせていただいていますが「山陰PD研」は2015年に名村が講師を勤めさせて頂きました「Webプロデューサー育成講座」の参加者で構成されています。
元々は山陰のクリエイターがそれぞれの横の繋がりを作ることを目的として始まりました。
現在では「山陰PD研」の中で仕事のやり取りが動き始めたり、年1〜2回のイベント開催のときには主催者として集まって日程・場所・イベント詳細などを決めてくれています。
この「山陰PD研」でのセミナーは、CSS NiteやWCAN等とは違って「Web制作」だけではなく「プロデュース・ディレクション」の根底にある「考える力」「発信する力」「仕事力」といった、仕事をしていく上でのスキル全般を取り扱う内容となっています。
これは地方では各クリエイターにおける仕事領域ののりしろが多く、ある職域を専業よりジェネラリスト的なスキルが求められる、ということも要因にあるかもしれません。
実際過去、山陰PD研にお声がけいただきイベントで名村が行ったセミナーのタイトルも、
- Webマーケティングとサイトリニューアル手法
- 仕事と人生を活かすための「禅」「坐禅」「禅語」
- 演劇メソッドを使ったコミュニケーションスキルアップセミナー
- スゴ腕Webディレクターに聞く!企業に求められるスキルとは?(「デジタルハリウッドSTUDIO米子」にて開催)
- リーダー×マネージャー×プレイヤー論(「デジタルハリウッドSTUDIO米子」にて開催)
- 誰がどう見てもそうとしか受け取れない文書術(「デジタルハリウッドSTUDIO米子」にて開催)
- Webディレクターの見る世界
- クリエイターなら考えないといけない「お金」の話(「デジタルハリウッドSTUDIO米子」にて開催)
- 誰がどう見てもそうとしか受け取れない文書術2017(「デジタルハリウッドSTUDIO米子」にて開催)
- バーベキュー主観のディレクション術 〜バーベキューメゾット〜
- 日々のタスク管理術 〜座談会形式でラフに名村さんと参加者が語る〜
といった、Webディレクションに全く関係ないものもあり、バラエティ豊かな内容での登壇のお声がけを板だています。
2019年は「プレゼン」と「企画書」
2019年の「山陰PD研 L.H.C Vol.5」ではテーマが「プレゼン」と「企画書」。
プレゼンは過去から継続している「プレゼンバトル」です。
これは元々「Webプロデューサー養成講座」のカリキュラムの最後がプレゼンであることに端を発しています。
プレゼン自体は方法論はもちろんありますが、最終的に人前で行うものです。
その意味では「緊張する」「アガる」といった自分自身の要素から、「お客さんからの反応がない」「受けると思ったら引かれた・・・」といった要素がある「ナマモノ」です。
ですので、どうしても練習だけではなく、実際に人前でやった経験こそが上達への秘訣と考えています。
その意味では名村は実際はものすごいあがり症なのですが、過去に役者をしていたことは今となっては大きな経験であり財産になっています。
(舞台で2時間の台本を間違えないことに比べれば、プレゼンは台本=スライドは映っていますし、個人的な気分としてはプレゼンをすること自体は遥かに楽です)
ですが、実際の仕事でのプレゼンは、
- そもそもそれほど多くの機会がない
- 仕事では絶対に「受注」を目指すので、「挑戦的なプレゼン手法」を試せない
- 他の人のプレゼンを見る機会がそもそもない
といったことがあると思います。
特に日本人は「置きにいく」のと、「スベった時のリカバリー」がどうしても下手なので、なかなかアグレッシブにいろいろな手法を試すことができないと思います。
そういった機会としても今プレゼンバトルでは、
- 仕事には利害がない(「失注」がない(笑))
- 他の人のプレゼンを沢山みて、他者の手法を吸収する
といったことから行っています。
L.H.C Vol.5のテーマは「コンビニアイス」
毎回テーマが決まっていて、その商品を「観客に『買いたい』『食べたい』と思わせられるか?」というプレゼンをしています。
今回のテーマは「コンビニアイス」になっており、名村の方で下記の商品を選ばせて頂きました。
- 明治 エッセルスーパーカップ 超バニラ味
- 赤城 ガリガリ君ソーダ味
- ハーゲンダッツ バニラ味
- グリコ アイスの実 巨峰
- ロッテ BIGスイカバー
- 森永製菓 ICEBOX グレープフルーツ
- グリコ パピコ チョココーヒー
- 森永乳業 PARM チョコレート
- 森永乳業 ピノ
- グリコ ジャイアントコーン チョコナッツ
- 井村屋 あずきバー
- ロッテ クーリッシュ バニラ
- ロッテ 雪見だいふく
これらが参加者に割り振られて、それぞれの商品について、
- 開始から終了まで5分以内
- ツールは何を使ってもOK
- 真面目にやっても、エンターテインメントにやってもOK
- 「買いたい」「食べたい」と思わせる
ということが目的です。
実際のメーカの各アイスの担当者さんにはぜひとも見てもらいたいと毎回真剣に重います(笑)
過去のプレゼン大会では、
- コンビニおやつ
- カップ麺
- コンビニドリンク
をテーマに実施してきました。
名村からの講評について
僭越ながら毎回名村がこのプレゼンについては講評をさせていただいております。
如何せん5分のプレゼンを聞きながらメモを取っているので、微細に至るまで講評が出来ているわけではないのですが、見ている観点としては、
- 声の大きさ
- 大きいから良いというのではなく、ハコのサイズに合っていて、最後尾の方まで届いているか
- 立ち姿がプレゼンを邪魔していないか
- 動くな、という訳ではなく「プレゼンに意味のない動き」がないか?
- 特に緊張している人は「手の所作」に全部でます。未意味にポケットに手を入れたり、シャツのボタンを止めたり外したりとか・・・
- お客さんへの投げかけの手法
- ボケ
- ツッコミ
- ネタフリ
- くすぐり
- ツカミ
- すかし
- かぶせる
- 客いじり
- お約束
- プレゼンの資料の作りとして「視線の導線」をどう設計しているか
- プレゼンとしての「起承転結」か「序破急」があるか
をみて「なんとなく感じる違和感」「気持ちいいけど残らない」「違和感があるけど記憶に残る」といった部分をメモに取って登壇者の方にお伝えしている次第です。
話芸への参考例
プレゼン自体の作りに関してはもっといいセミナーは沢山あります。 それこそ有名なのは西脇 資哲さんの「新エバンジェリスト養成講座」などがあります。
ただ、それ以外の観点として、プレゼンにおける「話芸」の部分を名村は大事にしたいと思っています。 名村がプレゼンの話をするときにはほぼ必ずこの話芸の話をするのですが、その時にご紹介しているのが、上岡龍太郎さんの話芸です。 「立て板に水」と称されるほどの話芸を誇る上岡龍太郎さんですが、その中でも「震撼するほどすごい」と感じるのは「鶴瓶上岡パペポTV」で笑福亭鶴瓶さんが収録当日に緊急入院になり、公録を一人で行われた時の回です。
台本なしで当日に一人で46分もの間、お客さんを楽しませる話ができるというのは神業と思えます。
これを見ると、上岡龍太郎さんは一体どれだけ膨大で広範な知識があるのか? さらに、それをリアルタイムに組み上げていく能力に凄さが分かります。
また古き良き芸人の洒落のギリギリを攻めているのが分かります。(今の世情では視聴者から「失礼だ」「洒落になってない」って盛大に叩く人がいるだろうけど)
これはプレゼンにおいてもお客さまやクライアントの反応を見ながら話す内容を可変させていく上でとても重要です。 プレゼンターは「プレゼンする内容だけを理解している」のではだめで、その周辺の話題についても同じだけの深さの知識が必要であると感じ、名村は実践しています。
終ってからの全員での「キャンプファイヤー」の名の座談会
今回は終ってからプレゼンに登壇するしないに関わらず、お越しになった20数名の方での座談会となりました。 主催の山陰PD研の方からいくつか仕事に関してのお題があり、それについて色々思っていることや意見などを話し合う会でした。
懇親会というと全員が参加されるわけでは無いと思いますが、イベント自体に懇親会的な雰囲気で軽食が伴い座って座談会を行う、というのは、これまでのWeb系のイベントではありそうでなかったものでとても新鮮でした。 もちろん、50人〜100人のイベントではなかなかできないですが、少人数のイベントではこういった企画はとても良かった。
その場が苦手な方もいますが、セミナーは勉強の場として来ているので、多少苦手があっても飛び込んで見る方がいいと思います。
毎回自分のプレゼンをチューニング・手法を追加できる「プレゼンバトル」
プレゼンバトルでは、ぱっと見だけでいえば上手な人、下手な人がいます。 しかしその見た目の上手下手だけをみて「評価・批評」するならば、この手のイベントは意味がありません。
どんな方のどんなプレゼンにも「そのやり方は自分の引き出しにはない」といったものがあります。 それが全般に渡る人もあれば、瞬間瞬間の方もあるとは思います。
名村は個人的にはマイナス面をことさら掘り起こして批評・評論をするのは意味がないと思っています。 これは要は「自分より相手を下に置くことで、相対的に自分の方が上である」という自己承認をしたいだけです。 これをいくらしても実際には成長しません。 相手を下げているだけなので、自分の絶対値が上がる訳ではないのですが、批評・評論している人は「相手のマイナスが分かる時点で、経験になっている」という部分に酔ってしまいがちです。
ですので、普段、出来る限りマイナスではなく相手のプラス面だけにフォーカスするようにしています。 先程書いた通り、
- こんなやり方ありなのか・・・・?
- そういう表現は気が付かなかったけど分かりやすい
といった「自分の引き出しにない」ものだけを徹底して取り入れるように心がけています。 その観点においては、実はこのプレゼンバトルにもう4回目の参加ですが、毎回毎回自分のプレゼンスキルを考え直して手法を追加できるとてもいい機会にお呼びいただけております。
今後も名村がお呼びいただけるかは分かりませんが、山陰PD研さんが継続する限りは参加させていただきたいなと思っています。 山陽(広島県・岡山県・山口県)山陰(鳥取県・島根県)の方々はぜひ参加してみてください!