Webブランディング

マーケティングとCGMを考える

最近マーケティングについてちょっと考える機会があった。(機会といっても夜中に「今から寝るぞ」と久しぶりに意識してベッドに入れただけだが)

自社で今某案件で作っているシステムにいわゆる企業からのニュースを告知するCMSがある。
与件として「ニュースリリース」「プレスリリース」の時はそれをアイコンとかで示して欲しい、ということがあった。

そこからなんとなくフラフラ考えていったのが、「そういえばアップルってプレスリリースとか打たないなぁ」って事。
言われてみれば皆さん、気がつきませんか?

そこで思い流れ行ったのは、「japanese.engadget」でも時々流れるアップルのイベント情報だ。
アップルは年に3回とか4回ぐらいやっている(はず)なイベントで全ての新製品情報を公開している。

直前にある商品が品切れになり「新製品が発表間近だからか!?」というのはあくまで噂で企業としての正式な告知は、ジーンズ姿のスティーブ・ジョブズによる老獪ともいえるプレゼンテーションによってなされるパターンがここしばらく定着している。

この手法は冷静に考えれば物凄く上手い戦略だと思う。
アップルの製品を支えている多くの人はやはり「アップルの製品を好き、どころか愛していると言ってもいい人達」であることは間違いないだろう。
(iPodのユーザー数をして、世界で一番話される言葉は中国語じゃないの?敵な突っ込みは無しって事で(笑))

そうなった時、アップルがこの手法をとっていれば、イベントまでの時間、それをバイラルマーケティングしようと心待ちにしているブロガーたちの気持ちは嫌でも高まってくる。
そして、その流れは、アップルにとってのマキシマムユーザーではあるがライトユーザーに入るであろうiPodユーザー達にも伝播していき、記事を書いて言ってくれている。

それに加え、スティーブ・ジョブズのプレゼンテーションは、名刑事コロンボの決め科白よろしく「ところでもう一つ・・・」が必ず入ってくる。

ここまでくれば引っかかるな、と言われる方が無茶だ。
恐らくアップルは、正確に言えばジョブズ氏はここまで考えての戦略をとっているのだと思う。

もちろん全ての企業が真似を出来る訳ではないと思うが、ユーザーの視点に立ち、ユーザーにより「いい体験」を提供し、その先にあるCGMをより活用するマーケティング手法として大正解だろう。

ただ、どちらにしても「コンテンツ」が無ければ意味がないのは同じだ。
アップルにしてもその前提としてプロダクトそのもののクォリティの高さがあるからこそ、ブロガー達はこぞって取り上げるのだから。


そして、Webにおいてそのコンテンツの良し悪しはモロにSEOに関わってくる。
以前のエントリーで


昨日のSEOの所で結局言いたい事ってこれなんですが(謎)、HTMLは文章の論理構造を示す事から始まり、それが今のWebの始まりになっているのに、内容を記述する、という事にまだまだ無頓着なのかな?と思うわけです。

ってな事を書いていますが、ちゃんとコンテンツがあれば、Yahoo!もGoogleもバカではないので、検索エンジンの結果は黙っていても上がってくる。
ましてやこれからパーソナライズドサーチが広まるようになればそれはもっと顕著になってくるはずだ。

今後企業は、自社のWebサイトのマーケティングを考える時、コンテンツそのもののあり方から、その告知方法まで全てを包括的に考えていかなければならない。
昔フリーでやっていた時もそうだし、今自社でやっている事もそうだが、制作会社としては、ますます、その時生まれてくる、コンテンツを管理している人と、実際にエンドユーザーに告知をする人の間の橋渡しが出来るようになっていかなければならないのは間違いない。

そこらへんは本にも今書いている処ですが、広告代理店の方が今までやっていたワンストップサービスはますますWebの世界では通用しなくなってくるだろう。

その時、そこに新しいサービスが生まれてくるんですが、そこを取れる可能性がWebの制作会社には物凄くある事を、我々はもっと重要視するべきか、と寝る直前にたどり着きました[謎]


著者・名村晋治のプロフィール

名村晋治

株式会社サービシンク

代表取締役 / テクニカルディレクター

名村晋治

不動産業界に特化したWebサイト制作・システム開発をおこなうサービシンクでプロデュース、ディレクションからテクニカル・ディレクターまでを担当。
元プロの声優であり、Webディレクターとして22年のキャリアを持つ。
(詳細は下の「詳しいプロフィール」をクリックしてみてください。

Webブランディングの入門教科書」、「変革期のウェブ」を毎日コミュニケーションズから出版してます。

詳しいプロフィール

大学二年生の96年からWebの制作集団ネイムヴィレッジを主催。
大学卒業の99年までの間に100社ほどのサイト制作の企画、ディレクション、デザイン、Perlでの開発、マークアップに携わる。
大学卒業と同時に俳優になるために上京し俳優修業開始。
2000年からは俳優修業の傍ら不動産検索サイトHOME'Sを運営している株式会社LIFULL(旧:ネクスト)に合流。
俳優としては、舞台演劇、プロの声優としても活動したが最終的30歳を目前に足を洗う。

2005年に株式会社LIFULLが自社媒体に注力するためSips業から撤退する事をきっかけとして、代表の井上とシェイクハンドをして退社。

2005年から株式会社ソナーに合流し取締役なども歴任し不動産業界のサイト制作のディレクションからフロント実装を担当。

2010年1月12日から株式会社サービシンクを立ち上げ、代表取締役に就任。
不動産業界に特化したサイト制作のアートディレクション~HTML実装設計~システム設計のすべてに携わるジェネラリスト。
基軸としてはクライアントの商売に寄り添うために、徹底的に思考を巡らせるためのディレクションを行う。
Webブランディングの入門教科書」、「変革期のウェブ」を毎日コミュニケーションズから出版してます。

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