複数のBacklog間を行き来するためのちょっとした手間とコツ
2024年12月21日
僕が顧客とBacklogを利用するケースとして、大きく下記があります。
- 「一つのBacklogプロジェクト」で自社の人間も顧客も全員入って運用をする
- 一つの案件だが「顧客との連絡用プロジェクト」「社内との連絡用プロジェクト」の2つ作って運用する
この「2」が発生するのは端的にいえば、「社内だからこその会話」を顧客に見せないためです。議論の検討や調査の過程などです。仕事で異なる法人間でやっているのでどうしても「見せられない」「見せたくない」やり取りは出てきてしまいます。
そうなると上記の図の様に、ディレクターは一つのプロジェクトにも関わらず、2つのプロジェクトを使うことになります。
この運用にならざるを得ないことは致し方ないと思っていますが、どうしても手間が出てくるのは「社内用のこの話題は、顧客用のどのチケットだっけ・・・?」とチケットを探すことになることです。
「探す」という手間がとにかくキライです(笑)
私は長らく「誰がどう見てもそうとしか受け取れない文書術」という研修を行っています。その中で毎回お伝えしているが、
- メール、チケット管理システム、チャットなどのツールに情報を分散するのは避けてください
- 「どのツールに書いたのかを探す」時間は仕事をしていると思わないでください。
というものです。
そう「整理をしていればすぐに分かる内容」を、整理することを放棄して毎回探している行動を自分が取っていることに気がつくと、とてもフラストレーションが溜まります。
複数のBacklogを繋げる極小の工夫
- 「顧客向けのチケット→社内向けのチケット」
- 「社内向けのチケット→顧客向けのチケット」
ディレクターの仕事上、プロジェクトを分けたら、必ず上記の双方での「ほうれんそう」が発生しますが、それぞれ一対のチケットを毎回探すのがあまりのも手間だったために始めたが次の内容でした。
それぞれのチケット番号を、チケット本文の文末に付ける
ホントにこれだけですが、実際の画面はこのような状態になります。
下の図の赤枠の部分が、このチケットと対になるチケットURLを掲載している場所です。
単にリンクを張っているだけに見えますが、地味ですがこの箇所のマークダウンはこの様にしています。
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サービシンク管理:
マークダウンの中身の解説
水平線を表示させる「---」
最初に「---」で水平線を差し込んでいます。これによって実際のチケット本文と分けて見た目が混ざらないようにしています。
URLのタイトルの「サービシンク管理:」
次にこの記述は「顧客用」「自社用」の両方に記載をします。そのためURLだけを書いていると特に顧客は「このURLはなんじゃ?」と思ってしまいかねません。ですので、これはあくまで「特に何かお客さま側には関係しないサービシンク側で『何かの』管理をしているURLですよ」という意味に受け取ってもらえるように「サービシンク管理:」というタイトルを付けています。
そしてこれを単語登録をして、毎回この表示が出るようにしています。しかし複数行の単語登録は通常の文字入力のIMEではできません。
私は複数行の単語登録ができる「TextExpander」を使ってこれを登録しています。
どのタイミングでこれを差し込むの?
これを差し込むのは当然、双方にチケットが生まれた時になります。私がこれを運用するのは次のようなタイミングです。
- 顧客が「顧客用プロジェクト」から依頼事項のチケットを記載してディレクターに連絡がはいる
- ディレクターはそのチケット内容を社内のクリエイティブの担当に伝えるために「社内用プロジェクト」側に転記、要約などをしてチケット作成
- 「2」のタイミングで「顧客プロジェクト側のURL」を本文末尾に記載してチケット起票完了
- そのまま「顧客用プロジェクト」側の当該チケットを「編集」状態にして、チケット本文末尾に「自社用プロジェクトのチケットURL」を掲載して編集終了
これが抜群に生きてくるプロジェクト管理
顧客用、自社用のプロジェクトを分けて運用しなければならない方は騙されたと思ってこれをやってみてください。毎回それぞれのプロジェクト一覧等で探していたのがなくなります。
これをしていなければ、毎回「課題」一覧の画面の「キーワード」なり該当のチケットをフリーワード検索したりしなければならないと思います。
そうなるとこの「双方のチケットを探す」というディレクターの作業が毎回乗ってくることになります。
かかる手間は「チケット起票時」の一回だけ
チケットを起票する時に一手間を加えて双方にリンクを張っておくだけで、毎回のチケット間の移動が圧倒的に楽になります。またこれによってクリエイティブのメンバーが「顧客側のプロジェクト」に登録をされていたら、素材の取得、顧客の実際に書いた内容の確認、テストアップや本番へのデプロイ連絡などをディレクターに成り代わって実施することも容易になります。なんせリンクをクリックすれば一対になっているチケットが分かるのですから。
地味で地味な手段ですが、僕にとってはこれを始めてから自分の生産性はというか、無駄で無駄な作業から開放されました。
ほんの小さな一手間で使っている自分がかなり救われるようになりましたので、誰かの参考になれば幸いです。