今年は「表示速度最適化(RSO:(Web Page)Rendering Speed Optimization)」の元年になると思う

2010年02月19日 仕事の雑感

2年ぐらい前からじょじょにだと思うのですが、サイトの「表示速度」について言及される事がネットの中で増えてきているかと思ってます。
もちろん、「○秒以内に表示しないとユーザーは逃げる」的な表示速度論ってのは大昔からあって、別のそれ自体は目新しい事でもなんでもありません。

ただ、その表示速度に関するレベルが冒頭の2年ぐらい前から結構高いレベルで争われるようになってきている感覚があります。
それは海外の方とチャット等で技術トークを結構しているのですが、その場でもやっぱり表示速度の向上に関する話題が増えてきている事でも実感がありました。

といった事から、主題の「表示速度最適化(RSO:(Web Page)Rendering Speed Optimization)」はかなりキャッチーな言葉にしている感はありますが、そういった海外の人とかとの会話の中で出てきた文脈から名村が去年ぐらいから勝手に言っている言葉です。


そんな中ですが、日本でもその部分にフォーカスされた記事等が出てきています。
個人的にインパクトが大きかったのは、昨年6月のゴメス・コンサルの出した「業界別サイトパフォーマンス動向」の結果です。
有名なサイトがずらりと出ている訳ですが、その有名たりえるブランドを支えている証拠と思いました。

その後ゴメスさんでは「ボーナス商戦(2009年冬)ECサイト表示速度ランキング」として、その結果、「表示速度の1位は無印良品で、平均表示速度は0.806秒。2位はYahoo!ショッピングで同0.991秒、3位はニッセンで1.440秒だった」という結果が出たことをご存じの方は多いかと思います。

リアルな話で言えば、「電話に2コール以内に出るのは企業として当たり前」といった事に置き換えられるのでは?とも思っています。


そんな中で最もインパクトが大きかったのは、

海外SEO情報ブログ

Google、次はウェブページの表示速度をランキングアルゴリズムに組み込む
http://www.suzukikenichi.com/blog/site-speed-is-googles-next-ranking-factor/

といったニュースが出てきたことです。
これは「あぁ、そうなったかぁ」と個人的には思いました。

といいつつも、SEOの為だけに表示速度最適化を行うのは現時点では、GoogleのMatt Cutts(マット・カッツ)氏が、

で言っている通り、SEOへの貢献度としては、まだまだ一つの指標でしかなく、「関連性(Relevancy)がいちばん重要」と言っています。
これは当たり前というか、そうあってもらいたいというか、SEOが出始めたときのような単純に「上げたいワードをh1タグで・・・」的な内容になられたら困る訳で、ホッとしているのではありますが、ユーザエクスペリエンス的には採用されてもおかしくない指標だよなぁ・・・という感じです。

ユーザーとしては、「有益かもしれないけど表示に10秒、15秒かかるサイト」よりは、多少益が少なかったとしても、というか、正確には表示されるまで益があるかどうかは分からないのですが、その益があるかどうかの判断をする為に待たされるよりは、「何はともあれ2秒で表示されるサイト」の方をまず見てしまうかも?と思っています。
だってそのサイトに益があると判断してからの方が遙かにそのサイトに費やす時間は長く成るわけですから。


というのは、普段早いYahoo!やGoogleで表示が遅い(この場合、回線がほとんどの要因なのですが・・・)だけで「あぁ、遅い!」(イライラ)となっているのは間違いなく事実です。
そして、今やかなりの方がYahoo!やGoogleをかなりの回数見ていて、その表示速度に慣れている以上、その表示速度の感覚こそがディファクトスタンダードになってしまい、そこを規準に他のサイトの表示速度に対しての差異を感じる方がいるのも少なからず間違っていないと思います。


一方で名村はセミナー等でも話をさせていただいてる通り、Webサイトは「サービスの場」と考えています。
それはリアルのビジネスでの「お客様へのサービス」を軸に「失礼に当たらない対応は?」「ファンになっていただくには?」「サプライズを提供するのには?」という意識でサイトコンテツを考えていく事が、Webサイトでも当然のように必要になる、という事から来ています。

そうして考えれば、冒頭に書いたように「電話に2コール以内に出る」というのが、その企業のビジネスとしての「お客様への当然のサービス」というならば、いくつも満たさなければ成らない事があり、その一つであり、逆に言えばその一つの指標でしかないのですが、表示速度最適化というのは、方向性としては当然の事かとも思っています。


我々制作者側としては、昨年Yahoo!ニュースの中の人がネットに公開された、

Yahoo!ニュース高速化へのサイトデザイン側からのアプローチ
http://techblog.yahoo.co.jp/cat207/cat214/yahoo_3/

で上げられている、

1高速表示のためのリニューアル

  1. CSS Spriteの採用
  2. 8bit-PNGの採用
  3. Optpix WebDesignerを利用した減色処理
  4. Smush.itを利用した8bit-PNGの余分なチャンクの削除

2UI部分の変更

  1. 検索ボックスの位置変更

といった部分は今すぐ出来る対応策でもあると思います。
その反面、ある一定の規模を超えるサイト構築においては、サーバーサイド側でも、単純に「はいファイヤーウォールを入れました!」、「ロードバランサーを入れたから負荷分散はばっちりです」だけではなくて、そのサイトのページビューやUU、また同時セッション数や1ページ当たりのリクエスト数などを考慮した設計が出来ないと、本当に「表示速度最適化(RSO:(Web Page)Rendering Speed Optimization)」の効果を上げるのは難しいだろうなぁ・・・と思います。


いや、ここってインフラ設計をされる方に取っては「そんな数字を見るのは当たり前やんけ!(怒)」と思われるかもしれませんが、自宅サーバー構築の延長線上で業務マシン構築をされている方も確実にいるだろうと思われ、このような書き方を敢えてしています。

いや、もしかすると自宅サーバーの延長線上のスキルで事足りえている場合は、そもそも今の時代、基本的なマシンスペックが上がっているので、その処理能力でほとんどの問題は解決されていて、結果的に問題にはならないのかもしれないですね・・・。
ただ、そのままだと、ある規模からは「それだけの量の処理をするには、○○台必要っすよ」って単純な倍々計算をすることになって、結果インフラ設計が複雑になり、ボトルネックを生むことになって、提供する企業側に不必要なインフラコストを提供してもらうことになるのは、なんだかどこにもいいことが内容な気がしていたりしますので、なんとも何をもって・・・っていうのは難しい感じなのですが・・・。


話は戻りまして「表示速度最適化(RSO:(Web Page)Rendering Speed Optimization)」ですが、今年ぐらいからその意識がゴメスさんの結果に出ていた企業から、もうちょっと規模の小さい企業をターゲットにこの考え方が広がるのでは?と思ったりしています。

単にバズワードを作ってしまっているような気がしなもないのですが、ここ数年追いかけてきた事だったので、纏めてみました。

(追記)

というエントリーを上げたものの、ブクマとかで「またそういう言葉作ってるよ」的なコメントを招く事になりそうな予感がしてきました・・・。

著者写真
この記事を書いた人
名村晋治 / 株式会社サービシンク

都内のWeb制作会社のWebディレクター兼代表取締役。 1994年にインターネットに出会い、1996年、学生4名でのWeb制作事業をはじめ、Web黎明期から多くの大手企業のサイト制作・開発に携わる。 2000年から2005年までは不動産検索サイト「LIFULL HOME"S」を運営する株式会社LIFULL、2005年から2009年までは都内のWeb制作会社の取締役として参画し、2010年に株式会社サービシンクを立ち上げ、代表を務める。 現在もWebディレクターとして現場でのPMを行う。 経験案件規模は直請けで10万円〜3億円。 過去900人以上が受講している「Webディレクター育成講座」は2000年より開催し今年で25年目。 2020年よりWebクリエイターへの情報提供のためのPodcast「Webディレクションやってますラジオ」を毎週金曜23時に配信中。 不動産テック協会 理事 2023年慶應義塾大学大学院経営管理研究科(MBA)取得

@yakumo

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