Webディレクション

モノづくりの精神

明後日に高嶋ちさ子さんのコンサートに行くのですが、久しぶりに公式ウェブサイトをざーっと見ていたら高嶋さんってもう2年近く前ですが、ストラディヴァリのバイオリンをお持ちなんですね。

ここにその日の日記がありますが、見ていて面白い日記です。

でも、なんでこれをここのネタにしたかというと、ストラディヴァリって、音楽に疎くても名前位は知っているであろうこのバイオリン。
って事で、ちょっと調べてみました。

音楽辞典を引いたところ、ストラディヴァリ作と同定される楽器は、世界中に約650点ほど現存しているそうです。
アントニオ・ストラディヴァリ(1644/9-1737)は、クレモナで息子2人と工房を開いていて、彼の工房で作られた楽器の大半が父の作とされているらしいです。

ちょっと話が飛びますが、元声優だったからという訳ではないですが、個人的にバイオリンというと映画「耳をすませば」(原作:柊あおい 脚本:宮崎駿)に繋がるのですが、やっぱりストラディヴァリの時代の「モノづくり」というのは、芸術家でありながらも「職人」としての一面が物凄く強かったなぁ、と改めた思いました。

昔から、役者が駄目だったら伝統工芸師になろう、と思っていたぐらい、「モノを作る」って事は好きなんですが自分の作品を工房で弟子と手分けして制作していく。
至極当然の話でだからこそ、世界中の美術館にエルグレコやルーベンスの名に帰される名画が並んでいるわけである。

絵の中に所謂「隠し事」をちりばめた18世紀以前の絵画であるオールドマスターなんて、一枚描くのに一体どれぐらいの時間をかけたのか?なんてのはとてもじゃないけど、分からない。


もちろん、Webサイトをこれと同じくして、時間をかければ良いものが出来る、とか逆に時間をかけないと良いものは出来ない、なんて事を言うつもりは毛頭ない。
ましてや個人の趣味でしかないのでなければ、費用対効果がある以上、100万円なら100万円の工数が実際に生まれてくる。
その時間で作らなければ、その仕事は赤字であり、失敗なのだ。

それでも、モノづくりで必要なのは「ラストワンマイル」にどれだけ魂を込められるか、だと思っています。
その心意気が細部のクォリティを上げ、全体を見たときに「なんかちゃんと作ってるなぁ」感に繋がるのだと思います。

一般のユーザーは「このボタンのクォリティがいいなぁ」なんて見方はしないでしょう。
その代わり、ちょっとずつ手を抜いているのは全体的に「なんか・・・・・しょぼくない?」という、ぼんやりと、でも恐らく的確な見方をしてきます。

それはalt属性が入っている入っていないなんていう細かい所にも繋がってくる事。
Webサイトのいい所でもあり悪い所は(Internet Archive Wayback Machineとかにアーカイブされて残っているのを別にすれば)印刷物のように後世に残らないこと。

それはもしかしたら、最終的にWebサイトのクリエイターにとって弊害になってくるのではないかな?と個人的には思っていたりもします。
ですが、ディレクションであり、プロデュースをする人間として、作品のクォリティを考えた時、現存の650台のヴァイオリンを作るのに、(仮に90歳の生涯のうち)60年を費やしたとして、一年に10台強のペースで作り続けたストラディヴァリの精神だけは忘れないようにしておきたいと思います


著者・名村晋治のプロフィール

名村晋治

株式会社サービシンク

代表取締役 / テクニカルディレクター

名村晋治

1996年よりWeb制作に携わり、キャリア25年目のWebディレクター

大学在学中の1996年「Web制作集団ネイムヴィレッジ」を設立し100社を超えるサイト制作の企画、ディレクション、デザイン、マークアップ、システム開発に携わる。

2000年不動産検索サイトHOME'Sを運営している株式会社LIFULL(旧:ネクスト)に合流。
2005年からはWeb制作会社に合流し取締役を歴任。同社ではフロント実装からディレクションまでを担当。

2010年東京のWeb制作会社・ホームページ制作会社、株式会社サービシンクを立ち上げる。 不動産業界に特化したサイト制作の、アートディレクション~HTML実装設計~システム設計のすべてに携わるジェネラリスト。基軸としてはクライアントの商売に寄り添う為に、徹底的に思考を巡らせる為のディレクションを行う。

Webブランディングの入門教科書」、「変革期のウェブ」を「マイナビ出版」から出版。

2000年から「Webディレクター育成講座」を独自開催し、40時間のカリキュラムを通し「仕事を回す事ができる」Webディレクター育成手法には定評があり。
首都圏のみならず地方でも講座実施、参加者は延べ700人を超える。

詳しいプロフィール

もう一つのキャリアとしてプロとして舞台俳優、声優。 1996年から養成所に通い始め2004年に廃業するまでの間はWebディレクターと二足のわらじでの活動。

俳優としては、東京の小劇場でシェイクスピアやマリヴォーといった古典を中心に舞台に出演、またNHK海外ドラマや、洋画等、ゲームでの声優を行っていました。

俳優時代の経験を活かし、演劇の訓練メソッドを利用した「コミュニケーションスキル」向上を目指したセミナー・研修も実施しています。

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