Webディレクション

親父に教わった、「任せる」っていうこと

前回のエントリーを書く時に書き忘れていて、後で思い出したんですが、親父と話をしているときにふと「あぁ、そういう事だったのか」と思ったことがまだありました。

親父は関西のゼネコンにいて、僕がガキんちょの頃は、現場監督をしていました。
ゼネコンの現場監督の仕事を全て知っているわけではないので、もしかしたら当たり前なのかもしれないのですが、少なくと親父は、予算から納期から全ての管理・監督をしていました。
そうなると、当然ながら数億、十数億のビルや学校を作るといった案件の末端全てまで目を通していくのは不可能な訳で、権限委譲をして、仕事を振っていかないと行けなくなるわけです。

そういった流れの話で、親父が言っていたのは、


自分以外の誰かに仕事を任せるのには、上役が「最後は俺が責任を取るから、お前の信じるようにやれ」とちゃんと言い切って、実際何かあれば一番最初に矢面に立つ事が大事やねん。

ただしな、大事なんは、それを言う前提に、「お前のやりたいって言ってるやり方はどういうものや?」というのを徹底的に話しをしてコミュニケーションを取った上で、軌道修正が必要な所と尊重するところをちゃんと弁えた上で、「そのやり方でやるんやったら、最後は俺が責任を取るから、お前の信じるようにやれ」と言わないとあかん。

と言っていました。

聞いた瞬間は「そりゃそうだ」と思ったのですが、後半の部分が何秒か遅れて「ん?あれ?あぁ、そうなのか」と腑に落ちました。

仕事を任せてもらえる、というのは、それまでの実績とか意欲とかから任せてもらえるようになるのだと思います。
一方で任せられる方は、よく分かっていないうちは「任せてもらえた」という事象そのものに「喜んで」しまいがちです。
これは僕もそうでした。

ただ、そこに「何をどうして、どういうつもりで、どうしていきたいから君に任せる」という部分が欠如したまま「任せる」というのは、それは「任せている」訳ではなくて、「自分はよく分からないからあとはよろしく」と言っているだけなのかと思った訳です。

話をして、何が自分の任されている範囲なのか?というコミュニケーションが無かったら、「ここまでは大丈夫」と思ってがんばっている所で「それは越権だ」となり、それが続くと「やり過ぎたらまた何か言われる」となり、どんどん萎縮して小さく小さく自分のやれる事だけを進めようとなっていってしまう。

そこに大事なのは、「任された方」ではなく、「任せる方」がちゃんとコミュニケーションを取るという基本的な事なんだなぁ、と改めて親父から教わりました。
だんだん任せる事をしていかないといけない立場になってきてる中で、個人的にとても染みいった話でした。
楽しいのはこれが温泉に入りながらやりとりがあったことなのですが、そういう親父で本当によかったなぁと思う訳です。


著者・名村晋治のプロフィール

名村晋治

株式会社サービシンク

代表取締役 / テクニカルディレクター

名村晋治

1996年よりWeb制作に携わり、キャリア25年目のWebディレクター

大学在学中の1996年「Web制作集団ネイムヴィレッジ」を設立し100社を超えるサイト制作の企画、ディレクション、デザイン、マークアップ、システム開発に携わる。

2000年不動産検索サイトHOME'Sを運営している株式会社LIFULL(旧:ネクスト)に合流。
2005年からはWeb制作会社に合流し取締役を歴任。同社ではフロント実装からディレクションまでを担当。

2010年東京のWeb制作会社・ホームページ制作会社、株式会社サービシンクを立ち上げる。 不動産業界に特化したサイト制作の、アートディレクション~HTML実装設計~システム設計のすべてに携わるジェネラリスト。基軸としてはクライアントの商売に寄り添う為に、徹底的に思考を巡らせる為のディレクションを行う。

Webブランディングの入門教科書」、「変革期のウェブ」を「マイナビ出版」から出版。

2000年から「Webディレクター育成講座」を独自開催し、40時間のカリキュラムを通し「仕事を回す事ができる」Webディレクター育成手法には定評があり。
首都圏のみならず地方でも講座実施、参加者は延べ700人を超える。

詳しいプロフィール

もう一つのキャリアとしてプロとして舞台俳優、声優。 1996年から養成所に通い始め2004年に廃業するまでの間はWebディレクターと二足のわらじでの活動。

俳優としては、東京の小劇場でシェイクスピアやマリヴォーといった古典を中心に舞台に出演、またNHK海外ドラマや、洋画等、ゲームでの声優を行っていました。

俳優時代の経験を活かし、演劇の訓練メソッドを利用した「コミュニケーションスキル」向上を目指したセミナー・研修も実施しています。

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