Web標準時代のwebディレクターの役割:2
2006年02月01日
次に、デザイナー。
デザイナーはWeb標準の時代になって、何か変わるであろうか。
いや、そんな事はおそらく一つもない。
ただ、ここにWeb標準=CSSレイアウトというのが一般的な思考として制作者側にある今は、いくつかのハードルがあるのは明らかです。
一つには、これまでテーブルレイアウトで行っていた手法がCSSレイアウトで行うには、全くと言っていい程、役に立たなくなってきている事がある。
これによって、これまでテーブルレイアウトで行えていたビジュアル表現がHTMLで再現出来ない(正確にはそのデザインをCSSレイアウトで再現出来ないマークアップエンジニアがまだまだ多数いるということではあるが)という事が実際の制作の現場で起こっている。
これは多くのデザイナーにとって不幸なことである。
しかし、これはテーブルレイアウトの黎明期に、今のようなレイアウト手法が考えもされなかったのと同様、CSSレイアウトが一般的になってくれば自ずから解決されていく問題である。
となると、デザイナーが身につけていかなければならない能力は何か。
それは「情報の整理能力」であろう。
Web標準とは、HTML上の情報を文書構造として整理されたものとして作るというのがその目的の一つである。
それに至って、ビジュアルにおける表現技術の重要性は容易に分かるものの、今後、その表現一つ一つの全てにおいて、明確な意味をデザイナーは説明が出来なければならなくなってくる。
なぜならば、デザイナーの気まぐれで文字を赤くしたり、あるページのフッターのリンクだけが太字になっている、などというのは文章の持っている意味合いからは遠くかけ離れたものだからだ。
デザインは感性だ、と考えている人(恐らく今や少なくなってきているとは思うが)にとっては、考えるまでもなく、今後現場でディレクターやマークアップエンジニアとの口論が待っているに違いない。
(次回マークアップエンジニア編に続く)