Webディレクション

Web標準時代のwebディレクターの役割:2

次に、デザイナー。
デザイナーはWeb標準の時代になって、何か変わるであろうか。
いや、そんな事はおそらく一つもない。

ただ、ここにWeb標準=CSSレイアウトというのが一般的な思考として制作者側にある今は、いくつかのハードルがあるのは明らかです。
一つには、これまでテーブルレイアウトで行っていた手法がCSSレイアウトで行うには、全くと言っていい程、役に立たなくなってきている事がある。
これによって、これまでテーブルレイアウトで行えていたビジュアル表現がHTMLで再現出来ない(正確にはそのデザインをCSSレイアウトで再現出来ないマークアップエンジニアがまだまだ多数いるということではあるが)という事が実際の制作の現場で起こっている。
これは多くのデザイナーにとって不幸なことである。

しかし、これはテーブルレイアウトの黎明期に、今のようなレイアウト手法が考えもされなかったのと同様、CSSレイアウトが一般的になってくれば自ずから解決されていく問題である。

となると、デザイナーが身につけていかなければならない能力は何か。
それは「情報の整理能力」であろう。

Web標準とは、HTML上の情報を文書構造として整理されたものとして作るというのがその目的の一つである。
それに至って、ビジュアルにおける表現技術の重要性は容易に分かるものの、今後、その表現一つ一つの全てにおいて、明確な意味をデザイナーは説明が出来なければならなくなってくる。
なぜならば、デザイナーの気まぐれで文字を赤くしたり、あるページのフッターのリンクだけが太字になっている、などというのは文章の持っている意味合いからは遠くかけ離れたものだからだ。

デザインは感性だ、と考えている人(恐らく今や少なくなってきているとは思うが)にとっては、考えるまでもなく、今後現場でディレクターやマークアップエンジニアとの口論が待っているに違いない。

(次回マークアップエンジニア編に続く)


著者・名村晋治のプロフィール

名村晋治

株式会社サービシンク

代表取締役 / テクニカルディレクター

名村晋治

1996年よりWeb制作に携わり、キャリア25年目のWebディレクター

大学在学中の1996年「Web制作集団ネイムヴィレッジ」を設立し100社を超えるサイト制作の企画、ディレクション、デザイン、マークアップ、システム開発に携わる。

2000年不動産検索サイトHOME'Sを運営している株式会社LIFULL(旧:ネクスト)に合流。
2005年からはWeb制作会社に合流し取締役を歴任。同社ではフロント実装からディレクションまでを担当。

2010年東京のWeb制作会社・ホームページ制作会社、株式会社サービシンクを立ち上げる。 不動産業界に特化したサイト制作の、アートディレクション~HTML実装設計~システム設計のすべてに携わるジェネラリスト。基軸としてはクライアントの商売に寄り添う為に、徹底的に思考を巡らせる為のディレクションを行う。

Webブランディングの入門教科書」、「変革期のウェブ」を「マイナビ出版」から出版。

2000年から「Webディレクター育成講座」を独自開催し、40時間のカリキュラムを通し「仕事を回す事ができる」Webディレクター育成手法には定評があり。
首都圏のみならず地方でも講座実施、参加者は延べ700人を超える。

詳しいプロフィール

もう一つのキャリアとしてプロとして舞台俳優、声優。 1996年から養成所に通い始め2004年に廃業するまでの間はWebディレクターと二足のわらじでの活動。

俳優としては、東京の小劇場でシェイクスピアやマリヴォーといった古典を中心に舞台に出演、またNHK海外ドラマや、洋画等、ゲームでの声優を行っていました。

俳優時代の経験を活かし、演劇の訓練メソッドを利用した「コミュニケーションスキル」向上を目指したセミナー・研修も実施しています。

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