Webディレクション

ディレクションとしてのコミュニケーション能力を考えてみる

今日はちょっとディレクターとPM間や、ディレクターとマークアップエンジニアやデザイナー間のコミュニケーションについて考える機会がありました。

ここで言うディレクターは、ラインマネージャーとかプロジェクトリーダー的な立ち位置で、どちらかというと現場レベルの進捗管理をする人、という立ち位置の人を指しています。

この立ち位置の人ってのは、往々にして「そんなスケジュールでどうやってやれというねん!(怒or泣)」という事が降ってきます。

その時にどう対処するか?って事で考える機会があったわけです。


こういったとは名村も今まで一杯ありました。
自分は社内でもプロジェクト・マネージャーとして動くこともあれば、上述の立ち位置として、ディレクションをする事も多々あります。(今だにマークアップエンジニアもしていますが)

その時にやっぱり大事に考えているのは「仁義・礼儀・道義」なわけです。

今話題にしている立ち位置ってのは、要は中間管理職になってしまいます。
どうにもコントロールが出来ない中で、タスクを完遂する責任だけがのしかかってくる訳ですよ。
そうなると、そりゃ怒りたくもなりますし、悲劇のヒロインにもなりたくなるわけです(笑)

でも、ここでそのディレクターとしての力量が見られるわけです。

名村はいくつかのセミナーでディレクターの役割は、


どんな手段を使っても、そのプロジェクトを、決まったバジェットとスケジュールの中で完遂させること。

と定義していますといった事を言ってきました。

その時、いくら大変だと言っても、そこで「大変ですよー」「出来ないですよー」「なんでそれを分かってくれないんですかー」と抗議しても始まらない訳です。

もちろんそんなスケジュールにしたプロジェクト・マネージャーは糾弾されてしかるべきです。
プロジェクト管理出来てない訳ですからね。

ただ、それは別のレイヤーの話であって、自分にとりあえず仕事が降ってきたら、「それをどうやればできるだろうか?」と考える思考が絶対的に必要だと考えています。


ここら辺は、丁度「変革期のウェブ」の座談会で森田さんと阿部さんと話をしていた時にも出てきた、「どれだけ覚悟するか?」だと思うんですよ。

勘違いしてもらいたくないのは、「ディレクター」ってのは会社のヒエラルキーとして偉いわけではなくて、その「覚悟と責任」を負うからこそ「偉い」訳です。

逆に言えば、そういった時にどれだけ覚悟を決めてプロジェクトに取り組めるかどうかが、ディレクターの力量であり器だと思っています。

要はどれだけパツパツになってもそのプロジェクトメンバーの中で「一番冷静でなくてはならない」と思っています。


魔法使いってのはつねにパーティーで一番クールでなけりゃならねえんだ
全員がカッカしてる時でも ただ一人 氷のように 冷静に戦況を見てなきゃいけねえ…
(参考セリフ by マトリフ(ドラゴンクエスト ダイの大冒険より)(笑)

なので、たとえPMと話をする時や、メンバーに話をして、無茶を通し通される時でも、ぐっと一言を飲み込めるかどうかってことです。

それをなくして、メンバーと同じように「大変だ大変だー」と言っていては、メンバーは付いては来てくれないでしょう。

そして「大変だったら、俺が最後にえいやーとやれば挽回してみせるよ」と言えるだけの覚悟をもっていなければ、やっぱりメンバーへの示しも付かないでしょう。

いや、実際大体のことなら、実際に自分が一晩とか二晩ぐらい徹夜したら巻き返せるんですけどね。

でも、それを負わないディレクターがメンバーに「ごめん、土日出てもらっていい?」といっても、きっと出て来てはくれないでしょう。
もちろん会社員なので、その権利は行使してもいいのですが、「いや、土日は休日なので休みをもらいますよ」「残業はいやですから、僕は帰ります」と平気で言ってやってしまうディレクターにはメンバーは付いてきてくれないでしょう。

大企業でプロジェクト管理もガチガチに出来ていて、何かが遅れたらどこに責任所在があるのかを考えるようなレベルであれば別かもしれませんが、モノづくりをしていて、ベンチャー企業のレベルであれば、恐らく多かれ少なかれ「土日ぐらい出てでも、メンバーの盾になったるわぃ」って覚悟がある人にやっぱり仕事って集まっていくのではないかな?と思うわけです。
(一般論ではないかもしれないので、強要をしているわけではないですよ(笑))

仕事なんてものは「もう出来るよね?」って立場や能力になって振られるなんてのはほとんどなくて、(上長からみて)「(こいつ)出来そうかな?」って立場の時に自分から「(やったことがないので)出来るか自身がないですが、腹をくくってますから、やらせてください」って手を挙げる人のところに振られるわけです。

それを経歴はそれなりにあって「自分は同じ仕事ばっかりになって違う事もやりたいのになぁ〜」なんてだけ思っていて、手を挙げてこない人には、いつまで経っても上は仕事をその人には振らないわけですよ。

これが「覚悟をしているかしていないか」の差であり、永遠に時給500円なのか、それとも時給5万円になるかの差になってくるんだと思っています。

もちろん何でもかんでも負債をかぶるのがディレクターの役目ではありませんが、いざって時に「俺達とりあえず頑張ってみるか、おー!」と言えるかどうかの覚悟ってのはやっぱり大事だと思いますし、そういった時でも平時と変わらず冷静に事態を見据えて、上役にも部下にも「仁義・礼儀・道義」を忘れずに仕事に臨めるようになりたいです。

という自分への自戒も込めてのエントリーでした。


著者・名村晋治のプロフィール

名村晋治

株式会社サービシンク

代表取締役 / テクニカルディレクター

名村晋治

1996年よりWeb制作に携わり、キャリア25年目のWebディレクター

大学在学中の1996年「Web制作集団ネイムヴィレッジ」を設立し100社を超えるサイト制作の企画、ディレクション、デザイン、マークアップ、システム開発に携わる。

2000年不動産検索サイトHOME'Sを運営している株式会社LIFULL(旧:ネクスト)に合流。
2005年からはWeb制作会社に合流し取締役を歴任。同社ではフロント実装からディレクションまでを担当。

2010年東京のWeb制作会社・ホームページ制作会社、株式会社サービシンクを立ち上げる。 不動産業界に特化したサイト制作の、アートディレクション~HTML実装設計~システム設計のすべてに携わるジェネラリスト。基軸としてはクライアントの商売に寄り添う為に、徹底的に思考を巡らせる為のディレクションを行う。

Webブランディングの入門教科書」、「変革期のウェブ」を「マイナビ出版」から出版。

2000年から「Webディレクター育成講座」を独自開催し、40時間のカリキュラムを通し「仕事を回す事ができる」Webディレクター育成手法には定評があり。
首都圏のみならず地方でも講座実施、参加者は延べ700人を超える。

詳しいプロフィール

もう一つのキャリアとしてプロとして舞台俳優、声優。 1996年から養成所に通い始め2004年に廃業するまでの間はWebディレクターと二足のわらじでの活動。

俳優としては、東京の小劇場でシェイクスピアやマリヴォーといった古典を中心に舞台に出演、またNHK海外ドラマや、洋画等、ゲームでの声優を行っていました。

俳優時代の経験を活かし、演劇の訓練メソッドを利用した「コミュニケーションスキル」向上を目指したセミナー・研修も実施しています。

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